前回、バンタム100はグリス入りベアリングの状態が開発時に想定した状態で、ベアリングのグリスを抜いてしまうとスプールの回転がよくなりすぎて遠心ブレーキだけではブレーキ力が不足し、メカニカルブレーキを締めないと投げられなくなると書きました。さらに思い出したのですが、バンタムキュラド(クラドか)200(初代スコーピオン1500の米国版というか正体)も最初のうちはうまく投げられていたのに、2〜3回釣りにいったころからSVSをマックスにしてもバックラッシュ気味になったものです。輸出版はグリス入りベアリングなのに、釣行ごとにオイルを注していたので、グリスが流れたのですね。リョービのルーBB-1Nもベアリングにオイルを注して釣りに行ったところ、朝のうちはメカニカルブレーキを締めずに投げられていたのに、夕方にはバックラッシュ気味になってきたものでした。昔のリールはグリス入りベアリングを前提にしてブレーキを設定してあったから、下手にオイルを注すとよくないのでしょうね。いまさらですが。 (2011/7/25)

 で、この写真は何かというと、バンタム100の本体A(シマノ語)側を外して、スプール側から見たところです。写真左がリールの前部、右が後部になります。真鍮の四角い部品はクラッチレバー(ボタン)の先に付いているもので、クラッチレバーを押し込むと、写真右上から左下に向かって下りてきて、固定板(シマノ語)の角部にカチャッと引っかかって止まります。いわば、インスプールスピニングのベール反転レバーが、ベールアームの溝にカチャッと掛かる部分です。

 写真は、クラッチレバーを押し込んで先が角部に掛かったところです。この後、ハンドルを回すと、ドライブギアの裏にある歯付きストッパー(シマノ語)の裏にある突起がクラッチレバーの先を押し上げて角部に掛かっている部分を外し、後はスプリングに引かれてクラッチレバーが写真右上に向かって引き戻され、巻き取り状態に復帰します。

 ちょっと見て不安に思えるのは、レバーの先が掛かる固定板の角部が小さいことです。1.5mmくらいしかありません。
この角部が磨耗してしまったら、クラッチレバーを押し込んでも止まらなくなってしまいます。アブ2500Cは、この部分が耐磨耗性のいいポリアセタールで一体成型された大きな爪になっていて、メッキされたブロックをはさんで止まるようになっています。これに比べるとバンタム100のはいかにも頼りない感じです。

 ところが、だいじょうぶなんですね。写真はハンドルを回してクラッチがリターンする直前なのですが、よーく見ると、クラッチレバーの先と固定板の角部の間にすき間があります。ハンドルを回したとき、クラッチレバーの先は上に押し上げられるのではなく、いったん前(写真左)に押し出され、その後上に押し上げられてスプリングに引き戻されるのです。最初に噛み合いを外してから押し上げられるため、、角の部分はまったくこすられず、磨耗のしようがないのですね。スバラシイ!

 30年目にして気づいたのですが、これはバンタム100の設計の中で一番すごいところだと思います。つくづくいまさらですが。

 (気づかなかったのは私だけ? それ以前に誰もこんなところを気にしないか?)

 2011年7月16日犀川のブラウンです。夜中の2時から走っていってポイントに到着したら、カワウさんたちが一番乗りして水泳大会をしていました。どこも困ったもんですな。水温こそ16度でしたが、朝8時すでに30度に迫る気温で、2ヶ所目のポイントですでにくたくた。半額とはいえ往復5500円もの高速代がかかっているので、夕方もやろうかと思っていたのですが、昼間の過ごしようがないので午前中で退散してきました。 (2011/7/17)

 バンタム100のスプールは、前の写真で付けていたアベイル製ではなく、オリジナルのものです。あのアベイルスプールは、HPで売っているものではなくて、1号ナイロンが50mくらいしか巻けない超浅溝なんですね。シルバーが欲しかったのですが、ずっと品切れだったので、「シルバー作んないんですかあ?」と電話したら、試作のときに作った超浅溝ならあるということで、それを売ってもらったのでした。

 オリジナル状態のバンタム100は、2010年10月25日(バックナンバー39)のブヨに刺されて寝込んだ日に初めて投げたのですが、そのときの印象は、標準ブロックだと7gくらいのスプーンでもメカニカルブレーキを締めないとバックラッシュしてしまうなかなかにスリリングなリールだというものでした。そのとき、バックラッシュを一発やってラインが減った状態でちょうどスプーンがメカニカルブレーキフリーで投げられる状態になっていたので、昨日の犀川ではそのときのライン量で使用しました。

 ところが、なぜかこの日はブレーキ力が過剰で飛びません。最初から最後まで効きすぎている感じです。ロッドが60ULから76Lに変わったのが原因かと思ったのですが、後半の伸びもない感じです。予備で持っていっていたリールからラインを移してスプールラインくらいまで巻き量を増やしたら、普通に飛ぶようになりました。

 よくよく考えたら、昨年3回ほどオリジナルスプールで使ったときはベアリングにオイルを注していたのに対し、今回の釣行ではベアリングをグリス潤滑に変えておりました。写真のリールは中古で買ってベアリングの中がどうなっているか分からないので、最初にオイルを注したのでした(買ったときかなりいじくりたおした状態だったので、すでにグリスが抜けていた可能性もあります)。

 その後、アベイルスプールを買ったとき、ベアリングのオイルが遠心ブレーキに回るのが嫌なので、ベアリングのシールをいったん外し、中にグリスを入れたのでした。アベイルスプールはとても軽いので、オイル潤滑のままだとスプールの加速が急激になりすぎるような気がしたのも理由です。

 だから、グリス入りベアリングの状態でオリジナルスプールを使ったのは、この犀川釣行が最初だったのです。

 ベイトのベアリングをオイル潤滑にするのは、90年のバンタムスコーピオンからで、それまではグリス入りベアリングが使われていました。一般的にシールドベアリングは組み立て時にグリスが封入されているので、外からオイルは注さないものです。実際バンタム100の取扱説明書には分解法やグリスアップの方法が書かれていたにもかかわらず、ベアリングは注油箇所に指定されていませんでした。

 この犀川釣行で使った状態こそ、バンタム100のオリジナル状態だったということになります。そう考えると、遠心ブレーキのセッティングは適正なものだったのだということに気づきました。スプーンがメカニカルブレーキフリーでちょうどいいくらいなら、空気抵抗の大きいプラグなどはメカニカルブレーキを少し締めればいいわけですから(それにしてもベアリング内のグリスって効くんですね。使っているうちによけいな分が飛んでオイル潤滑のように軽くなるのかと思っていましたが、そうはならないみたい。写真のバンタムはグリスを入れて7釣行ベアリングには何もしていません)。

 でもって思い出しました。8月20日発売予定のギジーでは、バンタム100はスプーンですらメカニカルブレーキを締めないとバックラッシュするじゃじゃ馬リールと書いてあります。これは、グリスレスベアリング状態で投げた昨年秋の印象が元になっているので、厳密にいうと違うということになってしまいます。

 でもまあ、かつてのルアー少年諸君のブログなどを見るとバンタム100でバックラッシュしまくったという人もたくさんいますから、まったくの間違いというところまではいかないでしょう。この部分が変わると原稿の前提が変わって全部ひっくり返っちゃうし、私のベイトキャスティングが下手だということにしておきましょう。

 たしか開高健も著書の中で「誇張はするがウソは申しません」なんて書いておりました。まあ、そういうたぐいの話だということで・・・。

 くそ暑い日が続くので、涼しい画像をどうぞ。どこが涼しいのかって? 2011年2月13日の天竜川のニジマスだからです。この日は、15人くらい釣っていて1日通して5人くらいしか釣れない寒い日でした。リールは天竜川4戦4勝の強運バンタム100アベイルスプール入りです。先月魚野川へ行ったとき、アベイルさんちにも行ってきました。話の中で、BM-2(BB-2)のスプールはどうなんだろうと聞かれました。やっぱり樹脂製なので割れてしまって相談してきた人がいたそうです。そういえば、BM-2のスプールはこの10年で読者の方2人くらいに自分で描いた図面を送ってあげたことがありましたが、スプールができたという話は聞きませんでした。やっぱりベイトのスプールを作れる旋盤屋さんはそうそうないのでしょう。かといって、アベイルでスプールを作って売れるかというと、BB/BMはバンタムの倍の値段のリールで数がそう出ていると思えないのに加え、当時BM-1がルアー用、BM-2が磯上物用という売り方だったのでBM-2はさらに少なかった可能性もあるわけで・・・。 (2011/7/11)

 バンタムに巻いてあるのは、ファメルトラウトサイトエディションの1号6Lb(ただしIGFA表示)です。このラインと姉妹品のエリアエディションはリーダーを結ぶ必要がないのでよく使っていたのですが、投げるとき何の抵抗もなくスプーンが切れて飛んでしまったり、魚がグングンッと引き込んだときプッと切れたりしたことが3回くらい続きました。

 で、この会社の糸はあかんのではないかと思っていたのですが、特にサイトエディションの1号6Lbは強いときは強くて、6番のエリア用シングルが根掛かりで伸びたり魚が掛かって開いたりするほどです。

 で、昨年最初に天竜川に行ったとき、ふと、結び目が抜けているのではないかと思い、スナップを結んだ後に意識的にぎゅーっと締め込むようにしてみました。その後天竜川3釣行して写真クラスのニジマスを毎回釣り、その他の渓流3釣行(関係ないが全部ボウズ)くらいしていますが、思わぬときに切れるようなことは1回も起きていません。どうやら結びの締め込みが不足していたようです。

 何年か前サンライン社に取材に行ったとき、結び目はしっかり締めないと抜けるという話を聞いて、記事にも書いたのですが、よっぽどゆるゆるに結んだのでなければ3回も4回もくぐらせたユニノットやクリンチノットが抜けるとは思えなかったのですね。だから、あまり意識して最後まで締めこむことはやったことがなかったのです(取材して記事に書きながら内心信じていないとはどういう奴なんだ・・・)。

 たしかに、スナップのところで結びがとんだサイトエディションは、ラインの先がしの字になっていました。糸質もナイロンとしては硬いので、特に寒い時期に締め込みがゆるくて抜けたのかもしれません。

 でも、それでも、いったんは結び目の形になったものが抜けたら、しの字くらいではなくてらせんが2つか3つくらいできてないとおかしいような気もします。なんだかいまいち納得したようなしてないような・・・。

 でも実際、きっちり締めこむようになって以来、へんな切れ方はしていないのですから、やっぱり締め込み不足だったと考えるのが妥当でしょう。40年近く釣りをしてきて、今ごろ気づくか・・・。

 2011年6月10日、敦賀のシロギスです。ダイワのDSMARTSパンフを見ていたらやってみたくなって行ってきました。今年は雪解けが長引いてどの川も5月中ごろまで不調で、さあこれからというときに忙しくなって(仕事は多くないがなぜかいつも重なるのだな・・・)、このころやっと時間ができたのでした。11ツインパワーはとうとうアマゴもイワナも釣ることができず、これが初ヒットです。キスがくわえているのはマルキユーのパワーイソメ。これはルアーで釣ったことになるのであらうか。 (2011/7/4)

 釣ったのは耳川河口の左岸側の砂浜でした。たぶん耳川から流れてきたゴミが正面のテトラポッドで止められるのだと思いますが、少しさびくとゴミがかかって1尾釣るのがやっとこさでした(それ以前に日が上がってから出発してるんで、こんなもんですが)。

 で、少しでもゴミのないところへ行ってみようと、帰りに水晶浜方面に行きました。ところが、雨によるがけ崩れで県道33号線が通行止めになっていて行けませんでした。

 いやあ、恐ろしいですねえ。33号線の先には夢の高速増殖炉もんじゅくんがあります。雨で通行止めになるような道の先にです。大地震がきたら、消防車も自衛隊も行けません。

 私の住む大垣市は、人の胸から上のような形の岐阜県の右乳首のへんにあります。岐阜というと海なし県で原発とは縁遠いように思われそうですし(それ以前にどこにあるか分からん人のほうが多そうじゃが)、その岐阜の中でも南に位置しているわけですが、敦賀湾が岐阜の右肩のところに食い込んできているので、実はけっこう日本海の原発銀座に近いのです。地図を見ると、もんじゅからは直線距離で60キロくらいのもんです。しかも、秋から冬にかけては伊吹下ろしという北西の季節風がびゅんびゅん吹きます。もろ風上にもんじゅです。

 しかも、古い文書を調べたら、400年前に岐阜で大地震があって、福井で津波が起き、家が流されたという記録が見つかったとかです。日本海側ではこういうことは起きないことになっていたのに、えらいことです。一説には関西電力は知っていて隠していたとかです。

 福島は事故当初政府やメディアが言っていたことが嘘っぱちで、実はとんでもないことになっていたということが明らかになってきました。

 しかし、いまだ脱原発はメインストリームにはなっていません。それどころか、(パフォーマンスの要素があったとはいえ)浜岡を止めた菅首相に対し唐突に激しい退陣要求が巻き起こって、自民党を中心とする野党側が退陣の言質を取ってしまいました。太陽光発電に乗り出すと表明したソフトバンク孫社長に対し、週刊新潮・週刊文春がそろって(ここがすべてを物語る)バッシングを始めました。現在、停止中の各地の原発は、夏場の電力不足に対応するためだといって、うやむやのうちに再稼動させる流れになってきています。

 ダムなどの公共土木事業ですら事業費の3%が自民党にバックされるシステムができていたのですから、それより格段に巨額な金が動き、立地に政治が深くかかわる原発に、とてつもない闇があるのは容易に想像できるところです。

 しかし、そういう闇があるにしたって、福島を見てドイツやイタリアのような外国が脱原発を決めているのに、当の日本のこの状況は一体全体どう理解すればいいのだろうと思います。

 日本人にはなんでも最後までやり遂げないと気がすまない遺伝子が組み込まれているのかもしれません。だから、優秀な工業製品や良質な農産物を作ってきたわけですが、その半面、ダムも原発も戦争もいったん始めたら止められないのかもしれません。

 太平洋戦争は原爆が2発爆発してやっと終わりました。日本の原発行政も原発が2発くらい爆発しないと終わらないということなのでしょうか。

 2011年6月19日、坂内川のアマゴです。ルアーは懐かしいハスルアー1/8オンスです。昔はアユカラーなんかなかったけどね。この魚はアップストリームキャストしてフルスピードで巻いてきて釣れました。80年代このルアーが流行った頃の釣り方です。魚は変わらないということでしょう。そういえば、最近はアップストリームキャストとかいわなくて、アップの釣りとかいうのかしら。おっさんは使う言葉も古いのです。 (2011/6/27)

 リールはドライブギア材質不良の疑いが濃厚になり、魚野川・犀川にも持って行かなかった408です。この釣行の前、最後の手段でドライブギアのグリスをシマノBG00(0だったかも)に塗り替えました。BGグリスは2011年4月4日のここに書いたように、他のグリスに対し磨耗や焼き付きを防ぐ性能が大変優れています。

 で、1日釣った後、ギアのグリスを見てみましたが、元々グリスが黒いのでよう分かりません(あたりまえやろ)。でも、ルーペで拡大してみると、やっぱり金色をした真鍮の粉が混じっているのが見えました。それ以前に、BGに塗り替えるときいったんばらしてみたら、ドライブギアの裏側に真鍮粉を練ったパテかなにかのようなグリスがいっぱいたまっていて、ダメだこりゃな雰囲気でした。

 それでもうこのリールのギアには見切りをつけ、前回ブラウントラウトといっしょに写っていた308の皮をかぶった408のギアを移植することにしました。308はとってあった元のギアで本来の状態に戻すので、もったいないことはありません。

 ところが、ここでひとつ障害があります。写真の408はローターナットを外しても、ピニオンギアが外れないのです。このリールはヤフオクで買ってすぐピニオンベアリングをグリスアップしようとしたのですが、ピニオンギアが食い込んでいてローターから外れませんでした。あきらめてローターナットを再度組みつけたら、さしたる抵抗もなくナットのネジがつぶれてしまいました。

 ミッチェルでの組み立て時にローターナットを締めすぎ、その時点でナットにピニオンのネジが食い込んでなかばつぶれており、同時にローターとピニオンもねじ山が食い込んでしまっていたのでしょう。このサイトを見ている人はご存知でしょうけど、ミッチェルのローターの取り付け穴は、日本のリールのような小判穴ではなく、ネジになっています。

 今回あらためて分解に挑戦しましたが、やっぱり緩みません。で、1時間くらいギアとにらめっこして、ピニオンギアを破壊することにしました。ちょっともったいないですが、ドライブギアが不良品なのにピニオンギアだけ大事に持っていても仕方ないでしょう。いわずもがなですが、移植するときはピニオン・ドライブをセットでしないと、せっかくなじんだドライブギアがダメになってしまいます。

 ピニオンギアをヤスリで削ってモンキーレンチを掛ける二面を作り、やっと外れました。このときの感触からも、相当なトルクで食い込んでいたのが分かりました。幸い、心配していたローター側のネジはだいじょうぶでした。

 何年も前になりますが、読者の方に「408のピニオンが外れない」「ナットがつぶれた」というメールをいただきました。そのときは「サビでくっついているのではないか」「まっすぐ組まなかったのではないか」という回答をお送りしてしまいましたが、この2人の方のリールは、上の写真の408と同じことになっていたのではないかと思います。いまさらながらスミマセン。

 308の皮をかぶせてあった408のギアは、昔アングリングの個人売買で買ったとき、前のオーナーにベアリングを緩めたまま使われていたためベアリングレースが偏磨耗していて、ザーザーとすごい音がしていました。組み直してから何年も使ううちにかなり静かになってきていましたが、今回ベアリング部はピニオンを破壊して外したベアリングに交換しました。

 そして組み換え完了・・・おお完璧です。やはりギアの歯がかなり減っていたらしく、組み替え前と比べてスムーズさが増しました。ちょっと大げさですが、ウォームギア的な連続感のある回転になりました。ベアリングを替えたことでザーッという音もしなくなりました。

 先日1日使ってきましたが、もうギラギラした真鍮粉は出ません。これで安心して使えます。

 (最近思い出したのですが、昔『関西のつり』に力丸さんというバス釣りの人の連載があって、琵琶湖や兵庫などのバスやナマズ、ケタバスのルアーフィッシングが紹介されていました。その中で、初心者の女性に408を使わせていたら大きなナマズがヒットして「ギアがボロボロ」になってしまったというのがありました。よほど怪力の女性だったのでなければ、私の408と同じドライブギアの材質不良だったのだろうと思います。けっこう流れたのかもしれませんね)

バスはリリース、アマゴは・・・
 2011年6月15日、犀川のブラウントラウトです。3日間も魚野川で釣ったのにやはり小田さんのたたりか24cmくらいのヤマメ2尾という悲惨な結果に終わり(まあいつもこんなもんだが)、このままでは終われんと帰りに犀川に行きました。それにしても完璧な魚体です。ルアーはバイトの7.5gに細地チヌ5号のバーブレスシングルです。バイトはサイズごとに形が違う(不思議な?)スプーンですが、6gとその肉厚7.5gが人の目から見たとき一番きれいに泳ぎます。そしてこうしてよく釣れます。 (2011/6/20)

 リールはミッチェル308の皮をかぶせた408です。ボディーは私がシマノにいたころシマノシンガポールに引き抜かれてきていた日吉産業の原さんが、現地の釣具店で買って送ってくれたものです。中身のギアは90年代にアングリングの個人売買ページで買ったボロボロの408から取り出したもので、回転式ラインガイドのベールもそのリールのものです。

 このリールのラインローラーはリン青銅(たぶん)に硬質クロームメッキを施したもので、ステンレスの軸で支持されています。ラインローラーを直受けしているリールはけしからんという私ですが、この材料の組み合わせならいいかというところです。糸ヨレも少ないしラインも傷みません。

 前の写真に写っていた408は固定式ラインガイドです。あのリールはラインガイドを本来のタングステンカーバイドからよりすべりのいい304の硬質クロームメッキのものに替えています。で、今回あらためて使った感じは、速巻きしているときはいいのですが、重めのスプーンを流れに逆らってゆっくり引くとググーっと重く感じることがありました。速巻きしているときはラインとラインガイドの間に水が入り込んで潤滑された状態になっているものの、スピードが落ちると水の膜が破れてラインとラインガイドが直接触れてしまうのではないかと思います。

 写真の308(408)のラインローラーはごく小さなものなので、100%は回っていないはずです(100%回ったら何RPMになるか分からない・・・)が、固定式ガイドがググーっと重くなるようなときには回っているはずです。固定式ガイドでも眼に見えてラインは傷んでいませんから、ラインローラーはこういうときだけ回ってくれれば十分でしょう。そして、このくらいの頻度の回転なら、硬い材料を使った直受けでよかろうと思えます。

 ワッシャー1枚でちゃんと働くドラグとか、シンプルなストッパーとか、ミッチェルはこういう過剰さのない必要十分なところがいいなと思います。自分で魚を釣っている感じがします。

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