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    「後片付け」

 一年の準備期間ともいえる一月が終わろうとしています。二週間前に種を播いた葉もの類の苗は順調に育ってくれていて、あと一週間もすれば定植作業へ向かうことができるでしょう。一週間前に播いたトマトと葉ねぎは、そろそろ芽を出しそうな気配です。夕べは、納屋でナス、ピーマン、ししとう、フルーツパプリカ、トウガラシの種を播きました。

 夏作の準備ということには、ひたすらに前向きなイメージがありますが、実際に行う作業は前年の片付けが主な作業になります。昨日は、アルバイトに来てくれている鈴木康夫さんが去年の玉葱などに使ったトレーを水洗いしている横で、サツマイモの苗床の準備をしました。そこには使い終わった支柱などが放置されていて、それらを片付けることに時間を費やし、整備されたトラクターに乗ってしまえばあっという間にきれいな苗床が出現できるのでした。この片付けのときにごみとして出てくるのが、使い古したビニール類です。

 ビニール類の使用を極力控えていても、月日がたてば劣化するビニール類はやはりごみの源です。野菜と引き換えにごみが出たのでは、循環の一員にはなれません。現状では、例えばナスやオクラなどの野菜の収穫量が、ビニールマルチ(ビニールで畝を覆う)のあるとなしとでは数倍の開きがあるので、まだまだビニールを使わないとの宣言が出せません。それは、草を抑えるというだけでなく、水利のない畑での保水性と肥料分の流出の抑制、保温性といった効果から来るものです。長期栽培となる野菜において、もう少し畑の状態が良くなるまでビニールを使っていかなければなりません。紙マルチで代用できるような南瓜やズッキーニなどは、その後片付けも楽になりました。

 後片付けに気が回るようになると、作業が軌道に乗って回転しだします。何かの事情で作業が滞るようになると、体に疲れがたまってきて、後片付けまで気が回らなくなります。ひとつの種類の野菜をどっと作付けて、一年に二,三作と言う場合なら後片付けしなくちゃしようがないかもしれませんが、一年中常に二十種類以上の野菜を出荷しているということは、常に三十種類以上の野菜が畑に存在することになって、後片付けもできないままに次の作業に移ってしまうという状態が起きるのです。アルバイトの鈴木康夫さんには、後片付けと草取りを主な仕事としてやってもらっているわけです。それでも追いつかないのですから、ついつい無理をしてしまうという悪循環です。この一月二月の時期は、後片付けに気が回り、じっくりと仕事をしているという穏やかな気持ちになって、大好きな季節となりました。

                     2002年1月31日 寺田潤史

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