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週刊てーて ひらく農園から

 「初夏の陽気、春の風、苗はわが子のようなもの」

 ここのところの暖かさは、どう理解してよいのかわからないような陽気です。おかげで苗床の苗はすばらしいばかりの成長ですが、畑に植えるわけにも行かず、成長を抑えるべく昼間は完全にビニールをはずしています。いつもの年ならば、極力日光に当てたいけれど外の風は冷たいので、ビニールをかぶせたままところどころを開けておくという方法をとっていたところです。今年は全開です。90パーセントは光を通すネットだけが、太陽の光を和らげていますが、ビニールほど遮らないので苗にとってはちょうどいいくらいでしょうか。

 苗半作あるいは苗八部作というくらいの苗作りのことが、やはりこの季節の最大の関心ごとと言ってよく、もちろん畑の準備や、野菜の世話も収穫や配達とともに平行して進めなくてはなりませんが、目が離せない苗たちはわが子のようなものです。

 発芽率の良い、徒長していない、日光をいっぱいに溜め込んだ苗に育ってもらうためには、さまざまな工夫が必要になります。培土(苗土)の仕込み具合がまずその第一要因です。堆肥の質とピートモス、バーミキュライトなどの割合を五年がかりで模索してきたものが、ようやくひとつの型となりました。第二にはやはり保温と日光の取り込みをいかにして手のかからない方法で行うかで、毎日のことですからいくら手をかけるといっても効率も考えないとほかの仕事ができなくなります。第三に水分です。水遣りの仕方一つで苗はどうにでも変わります。苗がしおれる前に水遣りするくらいがちょうどいいのです。これは培土の仕込み具合とも直結しています。水抜けの良い培土を仕込んで、乾燥気味に持っていくことが苗の能力を引き出すことにつながっていくのです。

 このほかにもいろいろなことを積み重ねてきました。無駄なこともいっぱいやってきました。その一つ一つがすべて苗がいい感じで育ってくれることを描いてのことです。そして、これでよし、と思った次の年には失敗が待っていることも思い知らされています。無駄なことはなにもないのでしょうけれど、失敗がそのまま皆さんに届ける野菜に反映されてしまうのですから、何としても、という思いはこの陽気の中でも春の風のごとくそよいでいます。とうもろこしもトマトも枝豆も、胡瓜もナスもインゲンもみ―んなたくさん食べていただきたい、これは毎年願うことなのです。

               2002年3月14日 寺田潤史

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とうもろこしの芽

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ブームスプレイヤーで水やり

中には自家製木酢自然液肥を混ぜてある(にんにく、魚液、唐辛子、木酢液が原料)

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枝豆の芽

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