新玉葱 |
週刊てーて ひらく農園から
「不眠症の特効薬」
どうも持病の慢性の気管支炎をこじらせたらしく、今週は散々でした。月曜日に7度の微熱で結局普通に仕事をしてしまいその日の夜中には8度を超え、火曜日の昼前に9.1度、昼過ぎには9.6度と僕としてはえらく高い熱にあえぎました。水曜日の朝には6.4度まで下がりましたが僕の平熱は5.7度くらいなのでまだ安心できません。ここから何度ぶり返した経験を持つことか!火曜日の夜は30分ほど納屋で仕分けの手伝いをし、この日は1時間半ほど仕分けをしたでしょうか?恭さんに配達を任せて、僕は子供たちを風呂に入れました。これが良くなかったのかどうか?
夜中に、またまた9.1度まで熱は上がり、しかも今度は眠れなくなってしまいました。眠れば熱は下がるのがわかっているのに、まったく眠れない。おまけに一種の幻覚シーンの繰り返しを形作ってしまいました。これがまた実に言葉で説明しにくい場面で終了して、まるでリセットされたかのように正気に戻って目が開くという具合です。数秒から数十秒はうとうとしていると思うのだけど、同じ場面に戻って目が開くことをずっと朝までやっていました。とうとう、脳をやられたか、と半分疑いながら恭さんを起こしてその場面を説明しても、眠れないという事実は変わりません。
恭さんが「はいっ」と差し出して頭の左上の畳に置いたのは、たまねぎをスライスしたものでした。
「なんだ?」
「いろいろな本に載ってたからやってみた」
「これをどうするんだ?」
「置いておくだけでいいんだって」
たまねぎの匂いが漂ってきました。
「眠れた?」の一言に目を覚ました僕は驚きました。やっと眠れたのです。そして、それから際限もなく眠ることで熱は下がっていきました。それにしても、毎日たまねぎに囲まれたような生活をしているのに、枕元にスライスしたたまねぎを置くだけで不眠から開放されようとは!身近なものも利用の仕方でどうにでも魔法をかけられるんだ。恭さんさまさまの日々でございます。
2002年4月12日 寺田潤史
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