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「季節が風邪をひいている」


 五月の雨をさみだれというけれど、梅雨のような日々のこの頃からは五月雨の印象とは違うものを感じます。桜の開花だけが早かったわけではなく、一見して季節の前進のような前兆は去年から続いていますし、この頃のむし暑かったり肌寒かったりの不安定な気候からして、単なる季節の前進化とは考えられません。

 ズッキーニの収穫は、記録を見てみると去年より数日早いだけの収穫開始であるのでそんなに前進化というわけでもなく、一方でエンドウ類の収穫には確実に前進化があらわれました。エンドウ類は去年に比べて収穫開始も収穫終わりも三週間近く前進しましたが、畑の条件はほとんど変わらずに、同じような播種期で、共に不耕起、基肥なし、追肥なしでしたし、前作もトマトで同じでした。

 友人の漁師に聞いてみると、海の水温が春先にはまだ低くて、シラス漁の本格的な開始は実質ゴールデンウィークぐらいからだったそうです。気候は海流の流れにも関係してくるのでしょうから、一概に固定的なことと判断することは難しいと思います。どう見ても、気候がおかしいことは確かな事実なので、やはり季節が風邪をひいてしまってそのゆり戻しが来ているのか、気候がおかしいということは地球がおかしいということだと思うけれど、地球がおかしいことが人間が作り出した異常さからのみくるのかどうか、わからないところです。

 二十世紀は、個の時代を形作ってきたと評価できる部分もあると思うのだけれど、地球の一員であるという、個への干渉ともいえる部分が重要である、ということをあぶりだしたことは見落とせない事実です。地球をおかしくしてしまった人間が再生していくには、衣食住からでしか再生できないという極論が、突き詰めてみるとまんざらでもないことが実感できるのです。足元を見つめると、季節が風邪をひいているのは、自分が風邪をひいているということで、地球に無理をさせないためには、自分が無理をしないという方法をもってあたるほかないのだと、つくづく思い知らされます。

                         
                            2002年5月16日 寺田潤史

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稲苗は急な寒さに震えそうだけれど、水が張ってある分いくらか寒さも和らいでいる

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