週刊てーて ひらく農園から
「梅雨時のほうれん草」
梅雨寒を雨が演出しています。梅雨らしい梅雨は久しぶりのような気がします。ここ数年、遅咲きの梅雨や空梅雨が多かったように記憶があります。
おかげで、ほうれん草の芽がきれいに出揃っています。あまり暑いと芽出しをしなければうまく発芽してこないほうれん草の種を、芽出しすることなくいつも通りに畑に直接播き、梅雨に入って時期をずらして皆芽を伸ばしてきました。一年を通じてこの日の最も長い六月播きのほうれん草が、一番栽培が難しいとされています。ですから、極晩抽性(とう立ちの遅い、花芽の出るのが遅い性質)の品種を選んで種を播きます。病気も出やすい時期ですから、収穫はほんの一瞬で終わってしまうので少しずつこまめに種を播くのです。
多品目の野菜の中にあって、一年を通して一番需要の多いのがほうれん草と玉葱です。ほうれん草は夏の栽培は難しいので、有機無農薬野菜の仲間たちはほうれん草の種を播かないことが多いのですが、露地で栽培できる限りはできるだけ種を播くようにしています。果菜類一辺倒になっていく夏の旬は旬として、露地で栽培できるものは需要のある限り試していきたいのです。
ほうれん草のほかの葉菜類は、小松菜や水菜、チンゲンサイ、ロケットなど十種類前後が年中同じ栽培方法でなされています。その中では小松菜が圧倒的に需要が多いのですけれど、やはり皆さんそれぞれに家庭によって嗜好が違ってきますので、あまり品目を絞るようなことはしていません。たくさん売れるものだけを栽培していくと、伝統のある京野菜など、どんどん食べなくなってしまうと危惧しています。畑のほうも、多様性がなくなってしまうので相が貧弱となり、病気の出やすい状態になります。ハウスを使ってまで多様性を求めるということはしませんが、この地方にあった野菜であれば露地で十分に育つはずですから、体の許す限り、どんどん種を播いていきたいと思います。ただ残念なことに、どんなに季節にあっていても土ができていないことには何も育ちませんので、土や草と相談しながらです。
梅雨時のほうれん草は、葉っぱが大きくなりだした頃に大雨が降れば一発でだめになってしまいますから、だめになったらなったでしょうがないというくらいの気持ちで種を播いています。
2002年6月27日 寺田潤史
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