週刊てーて ひらく農園から
「トマトの草とり」
夕方の涼しい時を、トマトの世話に当てています。トマトの植わっているちーち畑は、昔からの畑で、西に鬱蒼と松の林、南は笹の藪、北には雑木の庭ときていますから、夏から秋にかけては蚊が朝夕を支配しているような状況です。できれば日中の蚊のいないときにトマトの世話をしたいところですが、夏の晴天に無理はしないと決めたので、完全防備に近いいでたちでちーち畑に這いつくばっています。
完全防備とはいっても、蚊が刺しても貫通しにくい程度の厚手の木綿のつなぎ服を着て、帽子は目だし帽ほどには暑くない布製の頭をすっぽり覆う形の帽子で、じっとしているには気持ちよくないけれど、どちらにしても汗はかくのですからたいしたことのないいでたちです。夕方の二時間ほどを、保育園から帰ってきた三人娘に時々呼ばれながら、トマトと草の関係に一石を投じるわけです。
トマトは根がとても敏感で、トマトのすぐ近くの草をとるのにはとても気を使います。草の根をごっそり抜くことはせずに、トマトの根を刺激しないように草をむしる程度で、トマトから少し離れたところの草をとってトマトの根元に置いていきます。梅雨が明けて太陽がギンギンに照りだしたときのために、生きた草を残して保水力を維持し、とった草で強烈な光からトマトの根元を守るという意味もあります。ある程度の草を残しながら、草をとるという方法はとても微妙です。けれど、何年もこの方法でやってきましたから、とても楽な方法に思えます。きれいに草をとらなければ気がすまないタイプの人にこの草とりの方法を教えるということになると、難しくなります。草が、敵としてしか見えなくなると、草を生かす、トマトと草が手を取り合って夏を越す、などとこちらで言ってもなかなか伝わりません。
百姓になって最初の十年間は農業書をよく読みました。一方で、畑に這いつくばることで教えられることが無限にあります。トマトと草と僕の関係は後者の部類で、トマトの葉の勢いや草の種類などで、草取りの加減が違ってきます。トマトの実を収穫するのが目的ではありますが、一代交配のトマトが野生に戻っていく姿に添っていくという、トマトの世話をして満足してしまうのですから、僕とトマトの関係には草がとても重要な位置を占めているということになります。
2002年7月4日 寺田潤史
トマトの根元に草を敷く。 |
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エンドウあとに胡瓜(ネットの中)、真ん中はニラ。 |
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不耕起畑に植えられた胡瓜(ネットの中)。 |
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今年もオクラの季節がやってくる。 |
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紙マルチとビニールマルチのサツマイモ。 |
今週の野菜
野菜 玉葱 |
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