週刊てーて ひらく農園から
「猛暑酷暑をやりすごす」
早朝からのせみの声の大合唱に、ああ今日も暑そうだ、というお手上げ感を抱かされています。夕べは、窓枠に張られた網から漏れる室内の光に誘われて、雌のカブトムシが今年初めてやってきていました。八月の声を聞き、ますますの湿度をともなった暑さにうんざり気味ですが、虫達はこの夏を精一杯堪能しているかのようです。
日中、長雨でずっと入ることができなかったとーと畑を耕すべく、トラクターに乗ると、この強烈な日差しとトラクターのエンジンの熱とで、とても長い時間は作業していられません。夕べは、午後の六時すぎから八時半頃までトラクターに乗っていました。風がなくとても涼しいとはいえませんでしたが、昼間に比べればずっとましです。朝早くからトラクターのエンジンの音を轟かせるわけにもいかないですから、夜の作業は貴重な時間となります。
背丈ほどにも伸びた草を、トラクターですき込んでいくのですが、その草の相を見ると、うーんよしよし、という気分に包まれます。これだけ多様な草の種類があると、畑は豊かになっていきます。たとえば、玉葱の収穫が終わって雨が続き、草茫々の畑になってしまうと通常なら、畑を荒らしおって!ということになるのでしょうけれど、有機物によって畑を豊かにするという観点から見ると、時が来るまで畑のことは畑に任せておいたほうがその土に見合った草が生えてきてよい、ということになるのです。その畑に足りない養分を持った草が生えてきて、その草自身が畑に寄与するという考え方です。
今年もこども達のために西瓜を自家用として作付けました。保育園から帰ってきた子供たちに、冷えていない常温の西瓜を食べさせています。この西瓜の成分を分析したことはありませんが、どこか夏の暑さで疲弊した体に足りないものが西瓜に含まれているように感じるのです。このことと、畑の自然に生えた草の相とが同じような感覚で僕に訴えかけてきます。草は土を豊かにしてくれて、土から育った野菜は僕達の体を豊かにしてくれます。それは、生あるもののサイクルの中では、当たり前の循環で、その際たるものが季節であり、その中に生きる僕たちは、その循環に添っていくだけでよいということでしょうか。この猛暑酷暑も、その循環の中でやり過ごすほかはありません。
2002年8月1日 寺田潤史
↑多様な雑草たち。 |
||
↑トラクターにすき込まれた雑草たち |
||
↑2度耕せば畑に変わる |
||
↑ナスの周りは雑草だらけ。 猛暑による乾燥を防ぐために草を生やしておく。 |
今週の野菜
野菜 玉葱 |
播種日 2001/9/282000/1/25 2001/8/26 2001/9/20 2002/2/26 2002/2/23 2002/3/1 2002/1/30 2002/3/1 2002/3/1 2002/3/17 2002/1/30 2002/1/30 2002/3/1 2002/3/15 2002/1/30 2002/3/1 2001/12/25 2002/6/25 |
品種 七宝甘70スーパーグリーンベルト 味九条 遠州早生 黒種衣笠 メークイン ときわ地這 自然発芽 黒潮 ちりめん細長うり グリーンレイシ スターライト 京みどり つばきグリーン 坊ちゃん 自家採種 自家採種 セニョリータ 金太郎 向陽二号 自然発芽 オデッセイ |
ご覧いただきありがとうございます。
ご意見ご感想は、下記よりどうぞお寄せください。
このページの最初に 戻る