週刊てーて　ひらく農園から

「妃袈里のノートパソコン」

　親父の３回忌をこの十六日に行ったのだけれど、その二日前の金曜日の夕方、次女の朱里が保育園で熱を出して帰ってきました。翌日、診療所でインフルエンザと診断され、３回忌が無事終わる頃には、恭さんと長女の妃袈里が熱を出し始めました。月曜日の保育園を三女の穂乃香も大事をとって休ませ、月曜日火曜日の収穫仕分け配達、家事と看病で疲れ果て、僕自身も水曜日からインフルエンザの仲間入りとなったわけであります。穂乃香も時を同じくして熱を出し始めましたから、曾祖母以外は家族そろっての休養と相成りました。

　年の初めから、農作業と雑事で飛ばしすぎていた感のある僕たちでしたから、このインフルエンザは、休養せよ、との信号であったと理解しています。今、仕事が山積みでも、体が動くことがありがたく、昨日も堆肥の１．６ｔ散布やトラクター耕耘畝立て、法蓮草の種播き、玉葱畑やにら、にんにく畑の草取りに木酢液散布、エンドウのネット張り、鶏の世話に銀行回りとこなして、夜は納屋で種播きかと考えていましたが、さすがに病み上がりの気配抜けきらず疲れましたので、一転、夜は妃袈里のノートパソコンを作ることにしました。

　妃袈里は、クリスマスプレゼントをサンタさんにお願いするのに、二年続けておもちゃのノートパソコンを頼んでおいてほしいと僕に言っておりました。昨年末にインターネットでおもちゃのノートパソコンを調べてみると、ちゃちなつくりのプラスティック製のものが非常に高い値段で売られているようでした。「こりゃ、あかん」という思いです。今年になって、鶏舎造りの大詰めの段階で、妃袈里がとてもありがたい働きをしてくれました。網と網を針金で縫うようにして接着していくのにどうしても一人ではできない作業を妃袈里が手伝ってくれたのでした。六歳でも一人前の仕事を延々とこなしてくれたのです。そのご褒美に、ノートパソコンを作ることを約束したのでした。

　作りは至極簡単です。買ってあったコンパネ（合板であるところは気に入らないけれど仕方がない）を切って、サイズの同じ板を２枚用意し、紙やすりで角を整え、蝶番（ちょうつがい）を二つねじ止めして出来上がりです。あとは、インターネットから画像を検索して、妃袈里の気に入った「となりのトトロ」のイラストを印刷してパソコンの画面とし、キーボード部分には、僕の本物のノートパソコンのキーボード部分の写真を撮って印刷したものを張り付けるという簡単さです。キーボード部分は彫刻等で掘るつもりでいたのですが、合板ですし、朱里も穂乃香もとなれば、手っ取り速さを選ぶほかありません。最後に、透明のプラスティックの板を画面とキーボード部分にセロテープで貼って、木製のノートパソコンのできあがりでした。

2003年2月27日　寺田潤史

今週の野菜

(すべて無農薬無化学肥料栽培です)

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