ミニトマトの花 |
週刊てーて ひらく農園から
「トマトの復活を誓う」
疲れがたまって倒れたのは、ちょうど去年の今頃でした。肺炎だったというべきか、気管支炎をこじらせたというべきかはっきりしないところではありますが、疲れがたまってのことには違いありません。おかげでトマトを畑に植え付けるのが非常に遅くなり、収穫はほとんど皆無に等しい結果となってしまいました。
トマトは西瓜とともに夏の風物詩のひとつに数えてよいと思います。食べようと思えば、今ではハウス栽培で一年中トマトを食べることができますが、僕たちのように露地野菜をよしとするやり方では、夏にこそ食べて幸せを感じるあの食感は、人生の一大事といっても言い過ぎではありません。西瓜の場合は、ひらく農園の過酷な夏を乗り切る重要な水分源の意識が強く、品質より量を重んじ、自家用に在来種だけを作付け、夏の炎天下から逃げ帰ってかぶりついて夏を乗り切るというのが現状です。
トマトの在来種は、この亜熱帯地域で栽培するには不適で(アンデス山脈の気候とは程遠く昼夜の気温差があまりなく湿潤である)、今は一代交配種ばかりを作付けています。大玉の「サンロードトマト」、ミニトマトの黄色は「イエローミミ」、ミニトマトの赤は地元磐田で品種改良された「レッドメゴ」です。クッキングトマトは在来種でした。イタリアから調達していただいたものです。
ミニトマト、クッキングトマトの植え付けは終わり、サンロードトマトの植え付けが始まっています。例によって「ちーち畑」での露地の雨よけなし、不耕起栽培です。去年のトマトが皆無であったことから、「ちーち畑」は草茫々で、混植してあるニラの収穫のためにいくらか体裁を残した程度の畑なので、かえって今年は土の状態がいいように感じられます。肥料は何もやらないで、植え付け位置の両側に鶏糞籾殻堆肥を散布しただけの省力畑です。草をとりながらトマトの苗を植え付け、とった草を株元に敷いていく心安らかな方法をとっています。
畑への植え付け作業でこれほど心安らかに感じるのは、帰農した十四年前に奈良の川口由一さんや愛媛の福岡正信さんのやり方を真似ていた経験があるからでもあります。しかも今年はトマトの復活を誓っている反面、尻すぼみを警戒してゆったりとした風情漂う植え付けになっていることも理由に挙げられます。さらに、植えつけているすぐ見えるところに鶏舎があり、鶏たちが僕を不思議そうに見ているし、鶏に聞かせる音楽が流れていることでトマトの苗も僕もリラックスできているのかもしれません。南瓜や胡瓜、インゲンの植え付けが終わり、トマトの植え付けが終われば、枝豆、とうもろこし、オクラと植え付けの時期が来ますので悠長なことを言ってはいられませんが、ゆったりとした風情だけは漂わせておきたいなと思います。
2003年4月9日 寺田潤史
↑コンパニオンプランツであるニラとトマトの混植。 |
↑↓トマトの茎にある繊細なトゲがお分かりになるであろうか? |
↑サンロードトマトの苗をこれから植えつけようと苗床から下界に出したところ。 |
↑蕾がもうすぐ開きそう。
普通栽培では、トマトの苗の一番花が咲いてからが植え付け期である。 自然農法の不耕起栽培では、やや若苗を植え付けたほうがよい。 |
↑ナスの苗はまだ若すぎる。あと十日前後か。 |
↑昨年より2週間くらい遅れてのさやえんどうの収穫。 |
↑「ちーち畑」の葉ねぎが伸びてきたが、草も伸びてきた。 |
↑新しい葉もの。左がべかな、右が小松菜。 |
↑新しいロケット。やわらかそう。 |
↑「ちーち畑」の生活廃水の流れ出るところに咲くカラー。 |
  | 野菜 | 品種 | 科 | 播種日 |
New New New New New |
にら 長ねぎ 葉ねぎ アスパラ サニーレタス フリルレタス さやえんどう 春菊 小松菜 水菜 しろな 大根 菜の花 チンゲンサイ ほうれんそう 玉葱 ロケット にんにくの芽 自家製味噌 |
スーパーグリーンベルト わかさまパワー わかさまパワー ウェルカム なんそうべに フリルレタス 絹小町 さとゆたか 新黒葉小松菜 早生水菜 京の四季しろな 時無し 緑搭紹菜 福賞味 ラルゴ 極早生こがね オデッセイ 遠州早生 自家米のこうじ |
ユリ ユリ ユリ ユリ キク キク マメ キク アブラナ アブラナ アブラナ アブラナ アブラナ アブラナ アカザ ユリ アブラナ ユリ 海の精塩 |
2000/1/25 2002/10/4 2002/10/4 1999/2/1 2003/1/9 2003/1/9 2002/11/1 2003/1/27 2003/1/9 2003/1/9 2003/1/19 2003/10/6 2002/9/9 2003/1/9 2003/1/19 2002/9/5 2003/1/9 2002/10/28 2000/3/1 |
ご意見ご感想は、下記よりどうぞお寄せください。
このページの最初に 戻る