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柿の新芽

週刊てーて ひらく農園から

「収穫の卯月」

 数年前から、典型的な端境期である四月が、収穫の月に変わってしまいました。野菜の販売量が一年中で一番多いのも、この四月になってしまったのです。

 メイン作物のひとつである、玉葱が一年中供給できるようになってきたのですが、今年の春の冷え込みで、二月から三月の白玉葱の出荷の後、極早生の玉葱の収穫が遅れ、玉葱の端境ができてしまいました。それにもかかわらず、収穫が忙しいのは、葉ものやニラ、アスパラガス、さやえんどうなどが、急激に育つ時期だからであります。

 「とーと畑」の熟畑十年計画が去年スタートしたばかりですが、すでに成果が少し出てきています。玉葱や、法蓮草、エンドウ類はよくできるようになってきました。しかしながら、地力がまだ乏しいとはっきりいえるのは、冬の温度の低い時期の野菜の成長がまだまだであるという状況であるからです。三月から四月の温度の上昇で微生物の動きが活発になりだすと、無農薬であることの利点が発揮されるようになるのです。冬の後ですから、虫たちもまだ動き始めたばかりで野菜への食害も少なく、微生物たちは腐熟した堆肥に助けられて野菜の根のあたりで活発に動き回るのでしょう。一月に種をまいた葉ものを二月に畑に植え付け、この四月にぐっと成長した姿を収穫します。一年中で一番みずみずしい野菜を収穫できるのもこの四月といえるでしょう。

 二十四節季のひとつ清明のこの時期、よどみない空気は、木々の新芽や菜の花などの茎立ちた蕾の姿、草や野菜の新しい躍動が生み出しているのかもしれません。もはや、穀雨と言うべき雨の日々が一足はやく訪れて、一気に夏へと昇華してしまうのでしょうか。

 雨と収穫に追われて、夏野菜の植付けがなかなか進まないでいます。いっせいに咲き出したトマトの第一花ですが、まだすべてを植え付け終わっておりません。二、三日すればお米の種籾を播かなければならないし、まごまごしていれば玉葱の収穫の日々に突入してしまいます。なんとか四月中に夏野菜を植え付けてしまいたいという思いと、自分たちの体との兼ね合いを模索する日々です。そしてまた、子供たちが、環境の変化した保育園や学校での新鮮な気持ちを表す時期でもありますので、耳を傾ける時間もたくさんとりたいのです。収穫がたくさんあるのはうれしいこと、忙しいのもうれしいこと、植え付ける野菜がたくさんあるのもうれしいこと、子供たちの成長もうれしいこと。うれしいことがたくさんであるということは、体が悲鳴を上げるということなのでしょうか?

2003年4月17日 寺田潤史

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↑今美しいのは柿の新芽。
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↑琵琶の実
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スナックえんどうとさやえんどうが抱き合わせ
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↑スナックえんどうもぐっと大きくなった。
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↑スナックえんどうの実もついている。
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↑こちらは草です、カラスノエンドウ。
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↑スズメノテッポウもいつのまにか。
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↑2月下旬植えのキャベツの葉が大きくなった。
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↑藤棚の房が伸びている。
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↑藤の花。

今週の野菜
(すべて無農薬無化学肥料栽培です)
  野菜 品種 播種日

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New 表示はおおよそ2週間以内に収穫の始まった野菜です。


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