週刊てーて ひらく農園から
「果菜の剪定」
四月以来の雨続きで、夏野菜の生育が例年とは違う姿を見せています。ここに来てようやく梅雨の晴れ間が覗くようになり、繁茂した果菜類の手入れができるようになってきました。この手入れのひと時が、農家の喜びのひとつでもあります。
トマト、ピーマン、シシトウ、ナスの四種類が果菜の剪定の代表品目です。胡瓜、西瓜、まくわ瓜などの瓜類も整枝作業がありますが、こちらは四月から五月にかけての時期に大体整枝作業は終えて、この時期には放任に近い状態になっています。
ナスやピーマンの剪定作業には、よい品質の実を収穫できるようにとの願いと、収穫作業がしやすいようにとの願いがあります。よい品質になるためには、伸び伸びと育ってもらうことが一番で、そのために主枝から発生した側枝を整理するのです。ナスを例にとると、一番果の直下の勢いのいい枝三本を選んで残りの側枝を欠き取ります。この整枝作業の前までは栄養成長(からだをつくる)が主体で、根から送られた養分が芽吹いた葉の好きなままに送られてきていて、結果として主枝たる茎の充実に結びついています。実がなるようになった今、放っておけばすべての葉から出た側枝に実がなり、養分は分散され生殖成長(子孫を残す)に偏ってしまいます。そのために、三本の枝を伸ばす三本仕立てで、栄養成長と生殖成長のバランスをとりながら、三本の枝を伸ばすように整枝し、側枝に実をひとつだけならせ、側枝の側枝にもひとつだけ実をならすという方法をとるのです。ナスの専門農家では、四本仕立てが主流のようですが、ひらく農園は多品目農家ですので、ナスだけが大量に採れても困りますし、第一に手間をそんなにかけられませんので、三本仕立てにしています。
収穫作業がしやすいようにとの願いは、年齢と共に強くなってきました。腰を曲げての収穫が体に負担をかけるからです。整枝作業をしっかりしているならば収穫も楽になります。この時期に整枝の基本を形作っておくならば、あとは収穫のたびに細かい整枝作業がなされますので、収穫に時間はかかっても腰への負担は軽くなります。
整枝作業はこどもを育てることにも似ています。自由奔放に育てるというスタイルと、あまりにも方向が違いすぎると感じたならば道筋を示すというスタイルです。まず体を作り、好きなように葉を出してもらって好奇心の芽を広げます。次に三本の枝を選んでも、根をまっすぐに地中に伸ばすには、茎をまっすぐに天に向かって伸びるようにするのがベストなので、支柱を立てて支え道筋を示すのです。支柱を立てないとどうなるかといえば、枝が伸びて実がなると枝が下がり、実が大きくなると地面に実のお尻がついて、虫に食べられやすくなったり大雨に浸かったりしてしまいます。これから夏を超え、台風に耐え、秋に美味を発揮するまでになるには、この時期の剪定作業が大きな意味を持ってくるのです。
2003年6月26日 寺田潤史
↑ナスのお尻が地に着いている ↓支柱が立てられて固定すると、ナスの木も安定する |
↑ピーマン |
↑すでに放任の胡瓜畑はただいま大豊作 |
枝豆が美味↑ミニトマトも豊作だ↓↑ |
  | 野菜 | 品種 | 科 | 播種日 |
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