↑にんにく |
週刊てーて ひらく農園から
「土に触る」
この秋は、野菜の苗を手で植えることが多い。常には、機械移植を前提とした苗作りをしていて、近頃の極端な天候には機械移植の短時間作業が絶大な力を発揮している。一方で、あまりに天候不順が進んで、予定のたたない作業工程の割合が多くなってくると、機械は急激に役に立たなくなる。そこは柔軟に手作業が補うというわけだ。
畑を耕した状態の畝に、苗を植えつけていくときのほかに、耕さないで植えつけていくこともよくある。これは前作の畝をそのまま利用する方法で、長期作物にビニールマルチを施した場合によく用いる方法だ。にんにくやエンドウ類はほとんどこのやり方で植えつけている。去年は、ナスあとににんにくを植え付け、オクラあとにエンドウ類だったが、今年は、今もまだナスやピーマンを収穫しているその脇にサヤエンドウの苗を植えつけていて、スイカあとににんにくの種球を植えつけている。
天気予報が当てにならないといっても、やはり日に何度もインターネットで雲の所在を確認していて、朝には雨が降らないと思っていても、夜には急に雲が速く動いてくることがある。夕方、雨になりそうだとわかると、それは思いつきといっていいくらいの感じで、おもむろに野菜の苗の畑への定植作業を始めるのだ。こんな時、野菜の移植機が使えると、作業はあっという間に終わる。堆肥が散布してあるという前提条件が必須ではあるけれど、トラクターで畝立てして、野菜の苗を水に浸し、機械で植えていくという工程は夕方からでも十分間に合ってしまうのだ。ところが、雨が少し降りそうだなという時に、どっと大雨になってしまうことが最近非常に多い。そうなると、機械移植はもう出来ない。移植機の車輪が畝の溝のぬかるみにはまって動けなくなることになるので、手で植えつけることになる。ゆっくり出来る範囲で休みながら植え付けしていくのならゆったりとした気分でよいけれど、ほかの仕事が出来なくなってくるとせかされた気分になってくるのが手植えの弱点のひとつである。
ナスやピーマンには、元肥として鶏糞籾殻堆肥が入っているが、追肥も同じく鶏糞籾殻堆肥だ。これは、ビニールマルチをしてあるその上からどさどさと堆肥を置いていくやり方で、そののせた堆肥が今いい状態に腐熟している。サヤエンドウの苗を、ビニールマルチのうえからカチカチの土をスコップで掘って穴を開けて植え付け、土を戻してその上に腐熟した鶏糞籾殻堆肥をのせていくのだ。俗に言うところの根回り堆肥というやつで、よく腐熟している堆肥だから障害もなく、赤ちゃんを毛布でくるんでいるような印象だ。この作業も素手でやるから、掌の感触が気持ちよい。腐熟の進んだ堆肥は、さらさらとして汚いという意識はまったく起こさせない。土を手で触ることは神様を触るようなものであるから、堆肥はさながら神様のご飯のようなものだ。野菜は土と水と空気と光りで出来ているといってよく、それを食べる人間もやはり土と水と空気と光りで出来ていると考えてもよいと思う。土と水と空気と光りは神様そのものであるから、野菜の苗を手で植えつけるときの気持ちよさは、その一体感からきているのだと一人合点するのもまた手作業の教えてくれるところである。
2003年10月23日 寺田潤史
↑ナスの根元にサヤエンドウの苗 |
↑葉ねぎにも堆肥 |
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