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週刊てーて ひらく農園から
「決定的に変化したこと」
今年の天気が、僕たちに確実に変化をもたらしたといえるのだけれど、それを一言で言えば、「出来ないことを無理してやらない」ということであろうか?
今、十一月の半ばであるから、本来は玉葱の定植期の真っ只中に入っているはずの時期だ。ここにきて、まったく予想通りに雨の日々となっている。雨のない九月の反動が十一月にくるだろうことは、恭さんとの会話の中で予想していたが、予想できてもどうにも集中的にやらなければならない旬の仕事に追われて玉葱の植え付けの準備にしわ寄せが来たのだ。超極早生の白玉葱も極早生黄金玉葱もまったく植えつけられずにいる。雨を突いて、無理して植えたなら、根に障害が出るであろうし、第一にトラクターなどの機械が畑に入ることが出来ない。玉葱移植機がどんなに優れていようとも、ぬかるんだ畑では役に立たないのだ。
こんな時には、体に負担のかからないようにして養生し、晴れの続く日々に備えるのがいいのであると学んできた。鶏を飼うようになって休みはますますなくなり、完全な休養日は十二月の湯治までないのであるから、じっと我慢の、手綱を緩めた時間を過ごすことも重要であるのだ。培土を仕込み、種を播き、苗を育て、畑を耕し、堆肥を散布し、畝立てして畑に苗を植え付けることを今年も繰り返してきた。畑が少なくなって減った収入をくるくる回して機械代を支払い、しかし必要なものは投資であるから惜しみなく購入し、機械を自分で修理して節約し、ほとんど恭さんが収穫した野菜を仕分けして配達をするという、相変わらずの日々だ。
この時期になって、葉もの類が成長してくれて、豊富な野菜たちに囲まれている。いつかは報われるもの、やらなければならないことはやっていればいつかは終わる、なんて独り言をつぶやいてがんばった甲斐があるというもの。農の教えてくれた確信は、裏切られてもなお信じることである。お天気を信じることである。天然自然を信じることである。この農は、単価の高い時期を狙う資本主義の農ではない。僕たちのがんばり以上に育ってくれた野菜たちが、野菜たちを食べてくれる人のおなかに入ってくれること、それが最上の喜びなのだ。どんな立派な野菜であろうとも、真に農民というものはそれが人の口に入って初めて安堵する生き物なのである。
地球にへばりついているのが農民である。その地球の大地はたびたび切売りされ、税金の素材になる。これは資本主義の論理だ。地球にへばりついている農民は、その大地から、人間の口に入る作物を育てる役割があるのだ。面積が野菜を育てるのではない。土が野菜を育てるのだ。農民の労働は、これすべて土とのコミュニケーションである。これはたわごとのように聞こえるかもしれないが、僕が土から教えてもらったものだ。今年の天候不順は、この確信のようなものを落としていった。もっとも、確信なんてものは掃いて捨てるべきものだが。土が相手であるから、「出来ないことは無理してやらない」ことが土にとっては良いことだ。これがなかなかできなかった。何かしようとしていた。そうではなかった。お天気は神様である。雨も風もみな神様である。子供たちも神様であるから、出来るだけ一緒にいることにする。「出来ないことは無理してやらない」ことを、身をもって子供たちに示すのである。
2003年11月13日 寺田潤史
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