週刊てーて ひらく農園から
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「旬を食べる、旬を育てる その四」
農家の梅雨時の苦悩する風物詩というべきものに、ジャガイモと玉葱の収穫がある。どちらも貯蔵物の野菜であるし、気温、熟成期が似通っている。早く収穫し終わることが、農家の安堵を深いものにするのだ。
昨日は、ジャガイモの掘り取りに向かった。乳幼児がいると、夫婦二人で離れた畑に行くことができない。出荷やら雑仕事でジャガイモの植えつけてある「たーた畑」に行ったのは夕方になってからだった。トラクターについているロータリー(作業機)をはずして芋掘りアタッチメントを付けておき、ジャガイモの畝の土をさらって、掘り取りやすくしておく。こうなれば芋掘りは楽しみになる。子供たちも学校、保育所から戻ってきて、母乳を飲んだ四女も一緒に総出で「たーた畑」にやってきたのはもう十八時過ぎ。長ズボンと長靴のいでたちの子供たちがジャガイモを掘り始めると、もうそこは歓声のこだまする旬のジャガイモ畑となる。恭さんはこのような掘り取り作業が好きでたまらない。
実は、例によって今年の春の出産で、ジャガイモ畑に入ったのはジャガイモの種芋を植え付けてから三度目という有様だ。一度目はぼかし肥料をやって土寄せする作業をしにきた時。管理はそれ一度だけ。後は草茫々。つい一週間ほど前に、そこにジャガイモが植えてあるとは思えない背丈ほど伸びた雑草を、トラクターにつけたフレールモアで刈りに来たのが二度目だ。畝の上の草を粉々に出来たからこそ、今日の堀取りにこぎつけることができたというわけで、草があったなら子供たちはジャガイモ畑になんて寄り付かない。
肝心のジャガイモがはたしてついているのだろうか?という不安があったが、自給分プラスアルファは充分に確保できそうであった。ジャガイモがついているからこそ、子供たちは掘り取りに夢中になるのである。四女はジャガイモ畑の傍らにクーハン(幼児用携帯チャイルドシート)を置いてその中にいたが、「たーた畑」にははじめて来た。家族みんなが畑に来るというのは何だかとってもいいもので、晴れの日が続いてくれたことや何とか収穫にこぎつけることの出来た喜びが、土と一緒に掌にこびりついてくるような感じがする。
四人を風呂に入れている間に、恭さんは掘ったばかりのジャガイモの小芋を素揚げにしてくれていた。掘りたては水分があるので素揚げが似合う。子供たちがそのジャガイモに塩を振りかけて食らいつくと、満面の笑みに俄然勢いづいて口々に「こんなおいしいものはない!」「明日もジャガイモ掘るぞー」と威勢がいい。ちゃぶ台の枝豆にすら目もくれない有様だ。枝豆だって旬だが、ジャガイモの旬にはかなわないようだ。何といっても、自分で掘ってきたばかりのものが、こんなに美味しく食べられるのだから。自給自足のにおいがぷんぷんする今年の我が家は、喜びと美味しさの引き換えに販売量を減らしているような感じだが、もうこんな感じで今年は行ってしまえ、という覚悟ができている。子供たちには土が似合うということを、改めて教えてくれたジャガイモの旬であった。
2004年6月17日 寺田潤史
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