週刊てーて ひらく農園から
「土作り その五」
ようやく雨のない日々が訪れてきた。しかし、風が吹かないので、畑はそう簡単には乾かない。通路を歩くと水を含んだ音がする。畝には大量の水が含まれていて、歩くともぐる。もはや、農民にとっての死活問題の域に達している。収穫するものがあまりにも少なすぎる。植えた葉ものは、よく育たない。大量の雨が肥料分も洗い流した。ここまで収穫する野菜が少ないのは初めてといっていいくらいだ。
こんな時は、例によって砂地の畑の作業を先にする。先週雨の合間を縫って中耕した大根や法蓮草の畝は、そのかいあって草が少ない。昨日は、葉ものを植えたところを中耕して、雨でだめになった株のところへ新しい葉ものを手で植えつけていった。雨で嫌気性となった土の表面を、中耕することで空気が入り好気性の土の相となる。まだ細い茎に布団をかけるように土が寄る。芽の出たばかりの草が耕される格好になり、除草効果にもなる。これが中耕の効果だ。手作業だから、トレー六枚植えただけで日が暮れた。
伝えられる情報によれば、やはり、玉葱の種が流され、露地モノの被害は甚大であり、ビニールハウスも飛ばされたという。台風の風の被害がなかっただけで良しとしなければならないが、悲痛な心持をあっけらかんと笑い飛ばす気力は失せた。台風のさなか、地元の神社のお祭りがあったが、神社で手を合わせても、収穫が少しだけあってありがたい、という気持ちが本音であった。ビニールハウスを持たないから、ビニールハウスが消えてなくなるという被害とは無縁だ。では、被害が出ないようにするには、畑に何もない状態がいいのかもしれないが、それでは生活していけなくなる。勤め人なら、雨がたくさん降ったから給料半額、ということは不当ということになるだろう。僕たちの収入は勤め人の半分にも満たないのが常であるし、その上に度重なる被害があっても、不当と訴える場所などあるはずもない。だから、農民は空を見上げてため息をつく。楽天的にいくのならば、被害を忘れてあらためて種を播くほかはない。そして、ただひたすらに畑の乾くのを待つ。
台風前にトレーに種を播いた葉ものが、寒冷紗の上から雨に叩かれ発芽率が異常によくない。夜中に種を播きなおした。これだけ播けばよい、という安心感の上に立っていられない。もうどれほどの間、トラクターに乗ってないのだろうか?この時期の気候では、野菜は素晴らしい速度で成長するものだ。一気に冬が来ると成長が急に止まるので、ちょうどよい気候のうちに野菜は根も葉も伸ばしておこうとするのだが、異常な激雨が続いてそれができないようだ。畑に種を早いところ播きたいのだが、トラクターが畑に入れないのではそれもできない。できるのは納屋で種を播くことくらいなのだ。
急に、風が出てきた。急に冷えだした。いっきに冬が来てしまうのか?それならそれでもよい。風が吹いて畑が乾いてくれることはありがたいことだ。雨季と乾季がはっきりと分かれてしまうのだろうか?こんなに湿気た畑であるのに、今度は乾ききってしまうのであろうか?井戸水をまた汲み上げる日々になるのであろうか?不安な日々である。
2004年10月14日 寺田潤史
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