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玉葱畑のホトケノザの群生。
玉葱畑のホトケノザの群生。

「神ながらの農 その八」

 冬の間には、草の存在感の重みをそんなに感じないが、桜の花の咲くこの季節になって、草の脅威を感じるようになる。PHが安定してきた畑では、ホトケノザがいっきに野菜を飲み込んでしまう。うちでは今、貯蔵用の玉葱畑が危ない。特に紙マルチを使っている畝は、あのピンクの花が勝利を咲き誇り、このままでは収穫が危ぶまれる、という危機感を僕の長靴に刻むのだ。

 ホトケノザは冬の草であるが、この時期は冬の草の終焉の季節にもあたり、と同時に夏の草の芽生えの時期でもある。玉葱畑のホトケノザもある程度は除去してあげなければならないが、そのあとの5月末の収穫前にはもう一度草に覆われてくる。これが、無農薬で野菜を育てるということの宿命なのだ。ここがポイントである。ここで、草を敵としてはいけない。草は除去するが、草こそ味方だ。この草が、畑を多相に保ってくれる大きな資本なのである。多用な、微生物の渾然一体となった形は、良い菌とされるものと悪い菌とされるものを併せ呑み込んでいる形だ。草は除去されても、根は残る。草を抜いてしまっても、細い毛根は土の中に残るのだ。草を除去することは、長靴を履いた足が、畝の中に入り込んで草や土とこすれあう状況を作り出す。素手で草を取れば、手の指先の感触が、草の相も土の相も記憶にとどめるという状況を作り出す。見ているだけでは、その状況はありえない。草は除去されても、人間も野菜も草も土も共同体のような一つの形が作られるのである。これが、無農薬の野菜の畑の現場の実態と言っていい。

 実際には草に覆われてしまうことが多いのであるが、収穫できるということは草とのぎりぎりのバランス範囲にあるということだ。一方、草とりの嫌いな方が、除草剤だけは使って低農薬だとしていることもよくあることではあるが、以上のことから考えてみると無農薬とは正反対の位置にあるということがよくわかる。除草剤を使って微生物を皆殺し又は偏りを大きく生じさせることは、神ながらの農とはかけ離れてしまう印象がある。極論を言ってしまえば、人間のなす行為はすべてかならず微生物の偏りを生じさせることにはなる。しかし、堆肥を土に施すことで微生物の相は豊かになるであろうし、自然に生えた草には草の科学的な役割があるであろう。ビニールマルチフィルムを使ってさえ、草はどこまでも生命力を発揮してくる。皆殺しとは大きく趣を変えるのだ。

 雑草の生命力とは、必然があるからこその生命力だ。その場所でしか生きられない草が育つ。何らかの因果関係をもってその地に種が落ちた時に、土の具合で芽を出すかどうかを判断するのであるから、必然がなければ草は生まれない。種を人間が採取して播くのなら話は別だが、雑草というものは、そこに種が落ちたから雑草なのである。連鎖を伴った因果関係を持ち合わせている、と言ってもいいだろう。そんな雑草と共にある野菜だ。無農薬で露地野菜を育てるということが、神ながらの状態に近いのは、そんな理由がある。ただ、人間の側が、神ながらに程遠いということが僕を含めて多いのだ。だが、長靴を履いた足が草の生えた畑を歩き回っている限り、神ながらの農は人間の手の中にある。土を触る手、草を触る手こそ、神ながらに一番近い場所にいるのである。

 

2005年4月7日 寺田潤史


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ホトケノザのアップがみずみずしい。
ホトケノザのアップがみずみずしい

紙マルチが破れて土が露出し、そこから芽を出して伸びたホトケノザ。
紙マルチが破れて土が露出し、そこから芽を出して伸びたホトケノザ。

第3弾の早生玉葱が太りだした。
第3弾の早生玉葱が太りだした。

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今週の野菜
(すべて無農薬無化学肥料栽培です)
新着野菜品種名種播き日収穫開始日
1Newレタスシスコキク科2004年9月29日播種2005年3月15日から収穫
2Newフリルレタスグリーンリーフキク科2004年10月6日播種2005年3月18日から収穫
3 サニーレタスレッドファイヤーキク科2004年10月6日播種2005年3月5日から収穫
4New葉玉葱浜育ちユリ科2004年9月9日播種2005年3月21日から収穫
5 小松菜新黒葉小松菜アブラナ科2004年12月22日播種2005年2月21日から収穫
6Newニラスーパーグリーンベルトユリ科2004年2月2日播種2004年4月6日から収穫
7Newしろな京の四季しろなアブラナ科2005年1月22日播種2005年4月1日から収穫
8New春菊さとゆたかキク科2004年12月22日播種2005年3月4日から収穫
9Newロケットオデッセイアブラナ科2005年1月22日播種2005年3月30日から収穫
10 ブロッコリー緑山アブラナ科2004年8月19日播種2005年2月8日から収穫
11Newサラダ水菜早生水菜アブラナ科2005年1月22日播種2005年3月30日から収穫
12Newアスパラガスウェルカムユリ科2004年2月20日播種2005年3月15日から収穫
13 菜の花レタサイアブラナ科2004年9月10日播種2005年1月15日から収穫
14 葉ねぎわかさまパワーユリ科2004年10月6日播種2005年3月4日から収穫
15 ほうれんそうラルゴアカザ科2004年12月22日播種2005年2月15日から収穫
16New白菜あおなミニ黄作アブラナ科2004年12月22日播種2005年3月31日から収穫
17
18          
19          
20          
21 赤鶏平飼いの自然卵
22 自家製味噌自家栽培米の糀無農薬大豆使用2001年仕込み


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