台風一過、青空が気持ちいい。風が気持ちいい。秋風には、青空がよく似合う。アメリカのハリケーンの被害は想像を絶するが、人災という二次災害あるいは天災の前の備えという意味で、アメリカという国の行き方への不満も爆発しているようだ。ブルース発祥の地といわれるニューオリンズは、即ち、労働者の地である。労働者の中から生まれた音楽がブルースだ。労働者をおざなりにしていたであろうことは、海抜0メートル以下の地を放置していたことから、推察することもそんなには飛躍していないだろう。かのトランペッター、ウィントン・マルサリスも公然と体制批判をしていたのをテレビで見た。額に汗するものは、報われなければならない。
日本の台風も被害を残したが、四国の渇水を救った。秋雨前線を北へ押し上げ、秋は深まりそうな気配も見せる。秋の種播きは盛りだ。すでに、極早生の玉葱の種播きを終え、レタスや白菜の第一弾も芽が出揃っている。八月三日に播いた葉ものは、フリルレタスや春菊を除いて全滅した。アブラナ科の葉ものは、キスジノミハムシにやられたのだ。八月二十八日に播いた葉ものは、同じ条件であるのに順調に育っている。これが気候というものであろう。目が出揃うこと自体が、気候に合う最初の条件で、次にすっと葉を伸ばすことが、虫に負けない条件だ。極暑い時期は、目も出揃わないし、高温で成長も遅いから、生命体も弱く、虫にやられやすいのであろう。
次の葉ものも昨日播いた。葉ねぎも定植中であるが、また新しいものが芽を出してきた。冷蔵庫に入れておいたキャベツやブロッコリーの苗なども、もう畑に植え付けなければいけないが、八月中旬に播いたキャベツやブロッコリーは二回とも全滅していて、次の苗はうまく育ってくれている。そして、また播く。永遠に種播きは続くが、特にこの九月は集中する。畑の準備は、雨が引いて乾いた時にやればよい。とにもかくにも、種を播かないことには何もはじまらないし、冬の低温では成長が遅すぎるから、今のうちにせっせせっせと播いて、虫のいなくなるのを待つのである。
一年のうちの九ヶ月は、葉もの屋といっていいくらいで、七月から九月までは、夏野菜と貯蔵野菜だけになる。葉もの屋は葉もの屋らしく、せっせと種を播く。一年中種を播く。今はまだ、納屋で種を播いているだけだが、虫が少なくなると、大根、法蓮草、こかぶなど、畑への直播が多くなる。この頃は、お彼岸近くならないと虫が少なくならないが、お彼岸の頃からは、大量の玉葱の種播きが始まるので、そうそうのんびりもしていられない。十月になれば、稲の収獲が控えている。九月こそ、種播きの季節といえるのはこういう理由からだ。
まだ暑さが残るとはいえ、からだが見事に動く。やろうと思う仕事をこなすのに、時間を費やさないですむようになってきた。里芋の土寄せをするべく草取りをしても、それほどの暑さでもない。労働者が労働者らしくなれる気候、というものはいいものだ。風が、青空が気持ちいい、ということが、一番素晴らしいことだと思えてくる。どうにかこうにか生きていけるのだから、こんな世の中でも悪いことばかりではないなと、深呼吸してみたくなる。労働者の兄弟たちよ、胸を張って生きていきましょう。
2005年9月8日 寺田潤史
(すべて無農薬無化学肥料栽培です)
新着 野菜 品種名 科 種播き日 収穫開始日 1 なす 黒陽、万寿美 ナス科 2005年1月12日播種 2005年6月20日から収穫 2 ピーマン 京波 ナス科 2005年1月12日播種 2005年6月23日から収穫 3 ししとう つばきグリーン ナス科 2005年1月12日播種 2005年6月26日から収穫 4 玉葱 七宝甘70 ユリ科 2004年10月15日播種 2005年5月25日から収穫 5 オクラ いちばん星 アオイ科 2005年6月27日播種 2005年8月7日から収穫 6 ニラ スーパーグリーンベルト ユリ科 2004年2月2日播種 2004年4月6日から収穫 7 じゃがいも メークイン ナス科 2005年2月22日播種 2005年5月23日から収穫 8 葉ねぎ わかさまパワー ユリ科 2005年3月29日播種 2005年7月25日から収穫 9 インゲン 黒種衣笠 マメ科 2005年2月27日播種 2005年5月23日から収穫 10 青しそ (自)青しそ シソ科 自然発芽 2005年6月24日から収穫 11 モロヘイヤ 自家採種 シナノキ科 2005年3月18日播種 2005年7月1日から収穫 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 卵 赤鶏 平飼自然卵
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