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 「玉葱貯蔵」

 九月から身心をできるかぎり注いできた玉葱の収穫が終りました。大雑把に言って九月種まき、十一月定植、一月二月三月の追肥に一月から四月の草取りを経て収穫にいたりました。この春は天候不順で葉ものや胡瓜などの生育が良くない反面、春の乾燥が上質の玉葱に仕上げてくれました。収穫量も上々で、貯蔵種三品種あわせて四、五トン程が納屋の軒下と零度の冷蔵庫に納まっています。

  長い期間に渡って玉葱を貯蔵するには、品種選びと育て方の工夫、収穫期のタイミングがポイントになります。去年の暮れの旅行で寄った徳島の(株)七宝さんの三品種は、素晴らしい生育を示してくれました。二月まで貯蔵できる「ターザン」、今出荷している玉太りがよく辛味の少ない「七宝甘70」は十月までの貯蔵品種で、共に冷蔵庫に納まりました。「ターザン」は五月十七日に引き抜いて翌日までに葉を切り、十九日まで日干しして納屋の軒下に仮収納、自然乾燥して六月四日に冷蔵庫に入りました。玉葱の王様といううたい文句の「もみじ三号」はなんと来年四月までの貯蔵に耐えられるということですので、それだけ気も使いました。六月二日に引き抜いたという決断は、他の作業を差し置いても、この時期にしては珍しい乾燥した空気がもたらしてくれたものです。その日のうちに葉切りして六月四日に「ターザン」のいなくなった軒下に納まり、七月はじめには冷蔵庫に入れる予定です。

 二十年以上前の精農家の記述には,「もみじ」に勝る貯蔵品種はない、と書かれています.「もみじ三号」の元になった品種で、三十年たった今でも農家に引き継がれているわけです。玉葱に情熱を注いできた精農家の方々の記録を読んで自分なりに実践してみると、排水対策や玉葱の生理を考えたうえでの追肥時期の選択など納得のいくことが多く、現代の機械移植に合わせた育苗方法や木酢液の散布も含めて好結果の要因がパノラマのように思い浮かびます。もう六月なので玉葱の種の注文もしなければならない時です。次作は、早生種も(株)七宝さんの品種を試してみようと考えています。常備野菜といわれる玉葱を一年中出荷できる喜びは、まだ始まったばかりです.

  2001年6月7日  寺田潤史

七宝甘70玉葱

七宝甘70玉葱



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