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「梅雨の晴れ間は炎天下」


 梅雨明けのような暑さに湿度をミックスしたこの二,三日を、トラクターの上で過ごしました。ヤンマー社製のこの二十二馬力のトラクターは数年前に五十万円で中古購入したもので、四駆のオートマティックではあるけれど千二百労働時間を越えて、老体であることは間違いのないところです。このトラクターの後ろにはこの春購入した新品のロータリー(三十数個の刃が回転して地を耕すもの)300kgがつき、さらに畝立て機までついてロングボディーと化し、「恐竜」と、畏敬の念を込めて呼んでいます。この「恐竜」が雑草緑肥の畑へのすき込み作業に威力を発揮してくれています。


 親父が死んで相続の時となり、畑を農地と認めてもらうべく草を刈り、畑を耕しています。「畑を農地と認めてもらう」とは不思議な話だけれど、僕たちのように「草のないことも草のあることも潔しとする」いわゆる自然農法の形をとると、農業委員会のほうでは荒地と判断してしまうかもしれません。実際にここ数年、開墾したばかりで、、草をはやして土を肥やし、野菜を植えてはまた草をはやしということを 繰り返してきています。


 草茫々の「とーと畑」が、「恐竜」のおかげで一発で畝立てされた畑へと戻っていきます。炎天下のもと、老体に鞭打って二千五百回転の「恐竜」がゆっくり進んでいきます。例年、ぐったりとしているこの時期に、自分のからだが動くということが嬉しくてたまりません。あの空を見ていると明日が雨だとは考えられなくて、夜、天気予報を見て「やっぱり」と腑に落ちる自分も嬉しいけれど、なんと言っても足が前に出ることの気持ちの前向きさ加減が空に映り、耕された畑の土の具合とあいまって、梅雨の晴れ間は僕たちのところにもやって来たのです。恭さんも炎天下のもと、嬉々として鎌で草を刈っています。


 「三代で土地はなくなるようにできている」とよく言いますが、経済活動をするための道具としての土地であるように仕組まれていて、それがまた土地区画の政治と密接に関わっていることが、相続の合間から見えてきます。農に経済をそっくりそのまま当てはめない相続の特例は、最低限度必要なものでありがたいものです。しかし、この炎天下で働く農業者は、「恐竜」のように部品を付け替えるわけにはいきません。農業者は土を時間をかけてつくって(育てて)いく者です。自分のからだを担保にして土作りをするのです。「恐竜」に乗って汗だくになっていろいろなことに思いを巡らしていました。

                           2001年6月28日  寺田潤史

恐竜

恐竜

雑草緑肥すき込み後、雑草緑肥

雑草緑肥すき込み後   雑草緑肥



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