週刊てーて ひらく農園から
「夏の花 夏の実」
朝の雨に恵まれるようになって、夏野菜のみならず人間のほうも少し楽になってきました。それでも収穫作業時には太陽の陽射しが食い入るように照らします。
たーた畑ではオクラ、なす、ピーマン、ししとう、セニョリータの収穫がワンセットになっています。ほとんど毎日の作業に夏の終り頃にはばててしまうほどで、今年は少し作付けを減らしました。特にオクラは大変なので、種まきの時期をずらしてあり、今のところいつもの年の半分の収穫で、同じ畝の北側にまだ小さいオクラの苗が背伸びするかのように南側の大人のオクラを見上げています。大きなオクラの葉っぱは太陽の光を遮ってしまうので、草勢を見ながら、収穫した実の三節下くらいの葉っぱを取り除きながら収穫します。これはなすやピーマンなども同じでそれぞれにやり方は違いますが、収穫作業がそのまま管理作業になります。
ところが今年のように雨が少なく陽射しが強すぎると、定跡どおりにはいきません。去年初めて作付けたセニョリータを教科書どおりに剪定していくと八月に入って日焼け果(実の表面が白くなってしまう)ばかりになって慌てた経験が生きてきます。露地の野菜はいつだって大変なのです。ですから今年は葉をちょっと多めに残して、強烈な陽射しを和らげる方法をとっています。この方法だと実が多くつきすぎるきらいがありますので、摘果など注意が必要です。
果菜類の複数品目での夏越えは、まるでいのちを削るような行為のようです。今年は前半の胡瓜を失敗してしまったので、少しは楽かもしれません。これからは夏の果菜類の作付けを減らして、丁寧に野菜を育てることに軌道修正していかなければ、いのちは削られる一方です。この強烈な夏の陽射しをこともなげに毎日の実へと昇華させてしまう、あのオクラの花の薄黄色の凛として涼しげなことよ。汗まみれの中にため息を残して、早々にたーた畑をあとにする日々です。
二〇〇一年七月十九日
寺田潤史
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