週刊てーて ひらく農園から
「人の手に負えるサイズ」
台風十五号がわずかに南へそれて、この遠州地方に上陸することなく、荒れた畑での収穫作業へとこぎつけることができて何はともあれホッとしていました。夜、配達に出かける時のラジオのニュースでは、鎌倉あたりに上陸して茨城から太平洋に抜けたということで、台風十五号一色の報道からやっと一息ついて、「狂牛病」の国内初報告の報道へと情勢が傾きつつありました。
配達から戻って、ビールを飲みながら首都圏の台風被害のテレビ映像を見ていました。さあて、「狂牛病」の報道姿勢はどんなやろ?とニュースステーションを見ていると、突然、CNNのあの映像です。貿易センタービルへの飛行機の突撃映像です。TwoPlaneHitsの字幕は衝撃的以上のものでした。その字幕TwoPlaneHitsがテロであることを物語っていました。そこからあとは、各放送局ともテロ一色の報道となりました。
世はテレビ時代です。まるで宣戦布告のようなこの映像は、後世への記録として重要なものになるでしょう。しかし、残念なことは、「狂牛病」の報道がほとんど無いに等しくなってしまったことです。「狂牛病」のことについては、慎重に当局の情報開示を見守る必要があります。
草食動物である牛が、牛を食べることに端を発したといえる「狂牛病」の感染経路が飼料にあることは明白です。当局が、ヨーロッパからの動物性飼料の輸入禁止措置だけで安心しているとは思いませんが、既感染の飼料原料がたとえばアメリカ経由で日本に入ってきていることが事実であれば、「狂牛病」の報告が今後もなされることになります。
牛は、草を食んでいるのが自然の光景です。子供の頃、親父が牛を飼っていて、牧草を集めることに苦労していたようですが、集めた牧草の上に乗って遊んだことは草の香りと共によく覚えています。まっとうであるということは、大変であると同時に、心地よいものであるのでしょう。たとえば、まっとうな方法で牛を飼っている方を応援していくということが、真に「消費」ということになるのではないでしょうか?
テロの映像を見ていると、百階建ての建物の火災の消火活動なんてできるわけがない、と納得してしまいます。やはり、木の家の範囲での技術の進歩であってほしいと感じます。食べ物のことも含めて、人の手に負えるサイズの提案が求められています。
2001年9月13日 寺田潤史
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