週刊てーて ひらく農園から
「我慢の日々」
あの日照りの夏は、台風の秋へと取って代わられ、やっと復活した茄子の樹勢も、根の湿害と実の風害により、停滞気味です。
やっと今、葉もの類の収穫にこぎつけました。ところが、虫に大分やられています。これは、土が豊かでないからです。いつもと同じように堆肥を撒いて畝立てして、移植をして防虫ネットをかぶせても、土によって違いが出ます。今までは、もうすぐ相続で売られることになる「つーつ」畑と「てーて」畑に移植することが多かったのですが、これからは「たーた」畑と「とーと」畑に植えることになります。今、収穫の始まった葉もの類は家のすぐ東側の「とーと」畑に植えられています。結果として、今までの3割ほどの収穫です。減収は予想していましたが、想像以上です。
野菜を買ってくれている皆さんの、「葉ものほしい」コールに応えられない無念さが、畑のあちらこちらに満ちています。たぶん、今まで並に畑の土を豊かにするのには、少なくとも三年はかかると思われます。もちろん、「とーと」畑は良くなってきてはいます。排水も進歩の跡が見られ、水を流す方向の工夫と硬盤の破砕による成果は着実です。しかし、微生物層の多様性ということには、時間を必要とします。何事も、急激な変化は一時的に帰し、野菜の根や草の根が欲するところの養分は、微生物層の多様性を待つのが最良と考えます。「葉ものほしい」コールに応えるには、作付けを増やすほかありません。
ここでいう葉もの類とは、小松菜、水菜、しろな、ロケット、サニーレタス、べかな、みぶな、春菊などのことです。ほかに、畑に直播するほうれんそう、かぶ、しずむらさき葉大根などの葉もの類もあります。これらの葉もの類が揃うと、畑も台所も実に豊かになります。単一作付け、少数作付けでは味わうことのできないこの豊かさは、微生物層の多様性という畑の中の有機的なつながりによって生まれるものなのです。
2001年9月20日 寺田潤史
まばらな生育の小松菜 | 虫に食べられて欠株の目立つ早生水菜 |
現在の野菜品目
野菜 |
品種 |
科 |
播種日 |
オクラ | スターライト | アオイ | 2001年3月4日 |
ピーマン | 京みどり | ナス | 2001年2月1日 |
なす | 黒潮、小五郎 | ナス | 2001年2月1日 |
ししとう | つばきグリーン | ナス | 2001年2月1日 |
セ二ョリータ | セ二ョリータ | ナス | 2001年2月1日 |
じゃがいも | 男爵 | ナス | 2001年2月22日 |
モロヘイヤ | 自家採種 | シナノキ | 2001年3月22日 |
ねぎ | 吉晴 | ユリ | 2000年9月15日 |
にら | スーパーグリーンベルト | ユリ | 2000年1月25日 |
玉葱 | 七宝甘70 | ユリ | 2000年10月1日 |
ペコロス | 貝塚早生 | ユリ | 2000年9月13日 |
にがうり | グリーンレイシ | ウリ | 2001年3月22日 |
にんにく | 上海早生 | ユリ | 2000年11月9日 |
しろな | 京の四季 | アブラナ | 2001年8月12日 |
小松菜 | 夏楽天 | アブラナ | 2001年8月12日 |
大根ぬきな | 雪美人 | アブラナ | 2001年8月12日 |
金光菜 | 金光菜 | アブラナ | 2001年8月12日 |
アスパラガス | アスパラガス | ユリ | 2000年9月17日 |
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