週刊てーて ひらく農園から
「綱渡りか、旬の仕事か」
玉葱の種を播き終えて、ひと息つく間もなく葉ものの種を播いています。先週はとにかく仕事が集中していて、今になって疲れがどっときています。
三十日の日曜日は稲刈りを予定していたのですが、前日の土曜日の午後には長年野菜を買ってくれている中山さんが、稲架け用の支柱を組み立てるお手伝いに来てくれました。そして、その後に白菜の畑への定植を千株ほどやってから、あくる日の稲刈りに備えました。
次の朝起きてすぐに、インターネットのアメダスで雨の現況を確認しました。もう、すぐそこまで雨が来ているではありませんか。今日助っ人を連れて稲刈りに来てくれることになっている百姓仲間に電話して、稲刈りの延期を伝えました。彼は残念がって、
「午前中だけでも稲刈りできないか?」
と言いましたが、無理はしないことにしました。
さっそく、野菜移植機を動かして、昨日の続きの白菜の定植作業に取り掛かりました。残り千三百株ほどを植え終えて、今度は葉ものの定植です。葉もの類十二品種と葉ねぎをあわせて、八千五百株ほどです。途中雨も落ちてきましたが、午後三時半までかかってやり終えました。そこからあとは、土砂降りの雨です。
稲刈りを延期して正解でした。半日だけ稲刈りをしたとしても、バインダーや運搬車の準備と片付けもあるし、なによりも人の足跡ができて、土砂降りの雨が来たなら水がたまって、当分田んぼには足を踏み入れられなくなってしまうところでした。
白菜や葉もの類も、もし稲刈りをしていたならば、土砂降りの雨によって畑には当分入ることができなくなって、苗が老化してしまうところでした。白菜は、トレー播きの場合播種後二十日程度で植えないと、根の成長に重大な影響を及ぼすという試験結果も報告されています。九月九日播きの白菜ですから、ぎりぎりのところと言えるでしょう。
毎年こんな「綱渡り」をしています。農の神様に守られているのか、僕らの畑仕事に合わせてくれるかのように、天気は移っていってくれています。見るに見かねてのことでしょうけれど。「旬は三日間」というのは大袈裟ではないようです。
葉もの類定植後、土砂降りの雨にぬかるんだ「とーと畑」 | ごろ土に植わる白菜 |
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