週刊てーて ひらく農園から
「稲刈りの魔力」
この日曜日、予定より一週間遅れの稲刈りとなりました。土曜日の夜、突如土砂降りの雨がありましたが、田んぼには運良くほとんど降らなかったようで、水は一箇所も溜まっていませんでした。
五名の助っ人に恵まれての稲刈りのスタートに、二条刈りのバインダーの故障(稲送りチェーンが切れた)という、例年通りの何かしらのアクシデントがすぐにやってきました。農機具屋さんは、日曜日で電話してもつながりません。倉庫から一条刈りのバインダーを引っ張り出してきて、何とか再スタートです。一条刈りですから、時間は倍かかります。
恭さんにバインダー用の麻紐(稲束の結束)を買い足してもらうように頼んで待っていると、恭さんは農機具屋さんを連れてきました。信号待ちの車に、農機具屋さんを見つけたというのです。日曜日で農機具屋さんの社員は休みで、たまたま福田町のある農家に修理に来ていたとのことです。おかげで、二条刈りのバインダーは午後には使えるようになって、刈り取りはあっという間に終わらせることができました。
しかし、刈り取った稲束を家の方に運んで、稲架けしなければなりません。軽トラック二台で四往復の量です。以前は一輪者か人が手にもって田んぼから運び出していましたが、今は運搬用のキャタピラ車のおかげで、人手さえあればそんなに苦にはなりません。有難いことに四名の助っ人が、遅くまで付き合ってくれました。正確には、僕が四名の助っ人に引っ張られて、その日のうちにすべての稲束をかけ終える八時まで頑張れたと言えます。
毎年稲刈りの時に感じることですが、田んぼには僕たちだけの力では及ばないエネルギーが、結果としてそこにあることを思い知らされます。この国へ稲作を伝えた人、この国で稲作を地に付かせた数え切れない数の人々、福田の田んぼをまもってきた人々、僕が田んぼをやりたいということを知って換地として田んぼを買い入れた親父、田んぼに何らかのエネルギーを感じてやって来てくれる毎年の助っ人の方々、そして田んぼには来ることができなくても田んぼに何らかのエネルギーを感じて陰ながら応援してくれる方々が、目に見える形、目に見えない形で関わってくれているのです。
2001年10月11日 寺田潤史
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