「５１歳　その３」

　今日、久しぶりに自分の曲を聴いた。自主レーベルで去年出したＣＤのタイトル曲である。今の僕の心境に、ぴったり合う曲だった。今更ながら、手前味噌ながら、その歌詞をさらすことにする。２００５年に書いた曲で、「地と空」という題名だ。

ねえ、きみ　いつもぼくのそばにいてくれるきみ
ぼくがいきりたてば　きみは風にまかせて
ぼくがへこんだなら　きみは懐に入ってくる

ねえ　きみ　いつもふたりで　すべてを満たしている
ぼくの宇宙に育つ　この子たちを見て
きみの中に根を張り　色を違えた　花を咲かせている

＊この子たちの誰かが悪さをして　きみを傷つけるとき
　ぼくはやっぱり　今と変わらずに　怒鳴りつけるだろう
　本当にやりたいことが　どこにあるのだろう？
　ぼくはやっぱり　今と変わらずに　きみのそばにいたい

ねえ　きみ　ぼくらのほかに　星と月と太陽
ぼくの機嫌が悪いと　嵐を呼ぶけれど
八つ当たりしてるんじゃないよ　誰かが妙なことをしているんだ

ねえ　きみ　ぼくらのほかは　みんなこどもたち
おもちゃをひろげたままに　ごみは捨て放題
きみのエネルギーを吸い尽くして　嵐の足音だけは　聞き逃さない

＊ くりかえし

　地球のことを書いた詩だ。同時に、愛する者を守る気持ちを書いた曲でもある。誰にでも欠落した部分というものはどこかに持っているはずだが、自分ではなかなか気がつかないことが多い。えてして人間というものは、その自分の欠落した部分で一種のストレスを解消することがあるし、好奇心を満たそうともする。それはとても危ういもので、道を踏み外すことだってある。そういうことをだれもが持っている。その危うさを察知するのは、愛する人間の能力でもあるのだ。子供を叱りつける時に、憎くて叱る親はいない。なぜ通じないんだ？という思いが口調を荒くする。愛するということは、時に苦しいものだ、と思う。 　

2011年6月16日　寺田潤史

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