週刊てーて　ひらく農園から

「ぎっくり腰で検索」

　ちょうど一週間前の木曜日の朝、畑に出ようと靴を履きかけたところで、右の腰にピリッと違和感を覚えました。ほんのちょっとの違和感でしたが、大事をとって部屋に戻りました。久しぶりのぎっくり腰の兆候です。三日後の日曜日には、愛知県の新城市まで鶏糞もみ殻堆肥をもらいに行く予定が入っています。長雨の影響で、畑仕事が遅れに遅れていることもあって、絶望的に少し慌てました。

　「現代農業」という農文協から出版されている月刊雑誌を長年読んでいて、その検索ＣＤ‐ＲＯＭを持っているので、早速「ぎっくり腰」で検索してみました。三十三件の記事が示されて、そのうちの一九九七年五月号と六月号を引っ張り出してきました。操体体操と名づけられた簡単な体操で、二人で行うものと一人でできるものとが紹介されていました。恭さんに手伝ってもらってやってみました。少し休んでから、今度は一人でもやってみました。具合がよさそうなので、畑に出て少しの収穫と仕分け作業もやってみて、どうやら大丈夫そうです。無理をしない程度に仕事をして、日曜日の堆肥運び（四トンダンプを借りて新城まで二往復）にこぎつけました。機械でダンプへ積んでくれるとはいえ、スコップで均す作業は二時間ほどあります。それでも腰はもってくれました。あんなに簡単な体操で大事に至らないのですから、なんとありがたいことでしょう。

　月曜日には、熟成された一年ものの堆肥をマニュアスプレッダーという機械で散布して、堆肥をすき込んで畝立てて、火曜日には葉もの類を二週間遅れで植えることができました。これから玉葱の定植が山ほど待ち受けています。今のところ、腰は大丈夫そうです。マニュアスプレッダーで堆肥をまいて、トラクターで畝立てして、移植機で苗を植えるという万全の体制をとっていても、疲れがたまれば腰にきてしまいます。野菜の手入れや収穫は当然腰をかがめた手作業です。何とかこの十一月を楽しく乗り切って、十二月の湯治旅行へとつなげたいという思いが、恭さんにも僕にも畑にも満ち満ちているのです。

二〇〇一年十一月十五日　寺田潤史

苗をピンセットのようなもので2株同時に取り上げて挟んでいる。	苗を同時に2株植え付けて、ローラーで鎮圧。
たまねぎ移植機は、葉ものを植え付けるのにも重宝している。	往復4条の植え付け。

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