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「植物と私と生と死と」

 今週のテーマは、少し軽くない。生と死、なんて僕も使ったことのないような言葉である。伝わるように書くことができるかどうか、難しいテーマかもしれない。でも、率直に書かせて頂くつもりだ。植物と私は、常に毎日対峙している世界でもある。

 正直に書く。人間も含めて、生きているものは必ず死ぬ。これは誰もが聞いたことのあることだと思う。いや、小学生くらいだと、生きているものがいつかは死ぬなんて、想像したこともないのかもしれない。実は、僕も、いつかは死ぬとわかっていても、死というものを知らないのだ。知るということはどういうことか?身をもって体験すること、これが一番手っ取り早くわかりやすいことなのだが、死ということを身をもって体験している人は、この世には一人もいないのである。臨死体験などをテレビで見るが、本当に死んでから生き返った人には会ったことがない。

 植物の死ぬ姿は、毎日見ている。草を抜けば死ぬ(抜いても雨などの水分で根がついて再生してくる草もたくさんあるけれど)。小松菜を収穫してごらん。根と茎を寸断させられて、完璧に死んでいる。そう、人間は死んだものを食べて生きている生き物だ。食べ物は、すべて死んだものである(口に入る瞬間には生きているものもあるけれど)。豚だってニワトリだって牛だって魚だって、みんな殺されたものが食卓に上る。

 毎日野菜や草を見ている。植物ばかり見ている。だから、人間の死も、植物の死と同じなのかな?とふと思った。漠然と考えてみた。ハタと思った。ああ、俺、死んだことがないから、死んだ経験がないから、死というものを理解してないや、と。親父は11年前に死んだ。残された家族がその時に悲しみ、人間世界で生きてきた親父のことを思い、後始末に奔走し、大変な思いをしたことは経験している。ところが、親父は死んだが、残された家族は誰も死の経験をしていない。親父が死んでからどのように感じたのかはまったくわからないのだ。無念だったと想像するのは、生きた人間だ。

 僕が思い至ったのは、死んだら別の世界ではないか?ということ。死んだ瞬間に、別の世界が存在するのではないか?とすると、自分には生きる世界だけが存在するだけなのではないか?僕がよく口にする、人間は生きてなんぼ、という言葉。それはそのまま正解ではないか?もっと言えば、自分には死というものが存在しないのではないか?死を認識できるのは、自分以外の存在だけで、自分は生きる世界にしか存在しない。

 植物が、根から養分を吸い上げ、茎や葉にいきわたらせる、そのことと同じように、人間も口から植物や水分を取り入れ、吸収し、残ったものを排泄する。口から排泄するまで、自分の中心は空(くう)そのもののようである。その空という自分が形として動かすのが自分のからだ。心臓は、自分が生きている限り何者かに動かされている。この動かされたものが生き物たるゆえんなのだが、植物だって、人間の血液のように養分を全身にいき渡らせている。植物が生きていることを認識できるのかどうかはわからないが、天に向かって、一心不乱に生きているように見える。考えれば考えるほど、頭が混乱してくる。生涯の課題だ。

2012年7月5日 寺田潤史


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1 極少 インゲン黒種衣笠 アブラナ科 2012年3月15日播種 2012年5月27日から収穫
2 極少 春菊 さとゆたか キク科 2012年4月15日播種 2012年6月5日から収穫
3 にらサンダーグリーンベルト ユリ科 2007年2月14日播種 2012年3月5日から収穫
4 フリルレタス ダンシング キク科 2012年3月25日播種 2012年5月15日から収穫
5 サニーレタス 晩抽レッドファイヤー キク科 2012年3月25日播種 2012年5月15日から収穫
6 玉葱 七宝早生7号 ユリ科 2011年9月23日播種 2012年5月10日から収穫
7 胡瓜ときわ地這 ウリ科 2012年3月25日播種 2012年6月6日から収穫
8 葉ねぎわかさまパワー ユリ科 2012年1月15日播種 2012年5月1日から収穫
9 青しそ青しそ シソ科 自然発芽 2012年5月27日から収穫
10 極少 インゲンボルロット アブラナ科 2012年3月15日播種 2012年5月27日から収穫
11 モロヘイヤモロヘイヤ シナノキ科 2012年3月15日播種 2012年6月10日から収穫
12 葉付きミニ人参三寸 セリ科 2012年2月15日播種 2012年5月15日から収穫
13 空芯菜エンツァイ ヒルガオ科 2012年3月15日播種 2012年6月5日から収穫