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「がたごとの道」

 とにもかくにもなんとかこの一年をやり過ごすことができました。テレビやラジオやインターネットで伝わる世の中の出来事は、二十一世紀の始まりを混沌とした印象に塗り替えるものでした。僕が見たこの農村や工業都市の印象は、出口は見えないけれどその世代の持つその世代特有のエネルギーで押し切ろうとする、意外にも力強い印象の風景でした。新車の自家用車がまだまだたくさん国道にあふれている状況は、浜松の松菱倒産に象徴されるような失業時代の始まりを、避けて通る気配なのでしょうか?

 個としての僕は、再スタートの位置づけでしたので、失速した年末を含めても上出来と思っています。ひらく農園は大変な一年だったことを何度も書いていますし、子供たちと恭さんの大車輪の泥しぶきは、当分の間、沿道を汚し通すでしょう。問題として突きつけられている気がすることは、農としての仕事を推し進めることに時間の大半を注ぎ続ける、というスタイルでいいのか?ということです。答えは半分以上出ているのだけれど、土のことを考えても機械代のローンを払うことを考えても、やはり時間を注ぎ込まなければならないでしょう。農という生活と密着した仕事は、舗装していないがたごとの道にたとえるとして、大八車ならずとも走りやすいに越したことはないというのが本音なのです。しかしながら、たとえ大八車に子供たちと荷を乗せて走っていても、道端に咲く花を見つければ立ち止まって子供たちに「ほらっ」と指差すでしょう。そこに生あるエネルギーの源を見出し生涯の支えとなるということも、このがたごとの道の一面であるのです。

 それにしても、荷を降ろすたびに助けられるばかりの想いですし、畑に足を踏み入れたなら「よくもこの土からこんなにきれいな葉や根が醸し出されるものだ」とエネルギーをいただいてばかりの日々です。こころしずかに、新しい年をがたごとの道で迎える気持ちになっています。

2001年12月27日 寺田潤史

農の仲間「こぼれ種の会」の親睦餅つき

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杵は大正時代のもの



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