「確定申告２０１３」

　今年の確定申告は遅かった。昨夜、ようやく電子申告して終わった。例年なら、２月初めごろには終っているはずだが、今年はなかなかその時間を優先できなかったのだ。去年は、台風被害が重なって、落ち着いて帳簿をつけることもできないで、領収書類をため込んだ。それも、確定申告に手を付けることを躊躇した要因の一つである。

　確定申告は一年に一度であるので、作業を思い出すのに時間を費やす。集中してやらないと、短時間で終わらない。短時間と言ったって、２，３時間で終わるような性質のものではない。データベースに入力してあるものを、エクセルに集約していくのだけど、見落とすことも多いので、集中力は必要になる。データベースに入力していなければ意味がないし、すべて紙に印刷されて保存してあればいいのだけど、そうでないもの、例えば、ＷＥＢ明細に切り替えたものなどは別途保存していなければいけない。年間を通じて、そういったことを意識しながら、金銭のやりとりを保存していけば何のことはないのだが、出荷や畑作業が忙しければ忘れ去られ、手付かずのままになってしまうわけだ。

　掃除、洗濯、布団干し、子供部屋の管理、風呂の焚きつけ、野菜の種播き、苗の水やり、畑の準備、植え付け、たい肥散布や管理、収穫、仕分け、出荷、配達、ウェブ広告、お金の工面、それらに加えて帳簿もやって、そのほかに子供たちの雑多が大きく加わり、音楽もあるのだから、まったくもってしっちゃかめっちゃかである。夜、子供たちが寝静まってまた子供部屋を見回り、時には台所を片付けて、寝る前に録画したサッカーを見ながら一杯やる。どれかを息抜きしなければ、知らず知らずのうちに疲れはたまっていく。

　確定申告は、それらのことを少しだけ一時放棄できる２日間でもあった。洗濯とか出荷などの毎日やらなければいけないこと以外は棚上げして、確定申告に集中するのだ。そして、確定申告が終わってみると、どっと疲れが押し寄せる。いつもの疲れとは違う種類の疲れである。

　久しぶりに映画を見た。「ツレがうつになりまして。」という宮崎あおいと堺雅人が演ずる夫婦の話である。映画とは言え、映画館でもなく、テレビでもパソコンでもなく、iPhoneで少しずつ鑑賞したのだ。iPhoneで映画を見るのは初めてだ。メディア露出の多いこの二人だが、演技としては興味深かった。良い悪いは別として、演技に挑戦している感じは気持ちよいものだ。特にファンでもない宮崎あおいの演技は、より一層個性を増していると感じた。

　うつ病というものは、誰もが自分の中に抱えているような種類のものかもしれない。それが表に出れば発病という形なのだろうか？僕もやることが山ほどあるとはいえ、常に自分の中は葛藤だらけである。畑仕事や家事などの一つ一つの仕事は、どれも難しい種類の仕事ではない。それらをトータルでバランスよく配置するのは難しいことだ。お天気という絶対神がいるので、なおさらでもある。思うようにいかないからと言って蓋をすると、病気になりやすいのかもしれない。確定申告でもそうだが、後回しにしたものは必ずやらなければいけない羽目になる。まあ、肩の力を抜いて、気楽なバランス配置がいいのだろうな。

2013年3月14日　寺田潤史

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