「春の農繁期と入学シーズン　その２」

　週末の雨は１２０ミリの雨だったが、そのあとの大風がこれまたひどいものであった。東から吹いていた大雨の風は、北西からの冷たい大風に変わったのだ。そして、そのあとに寒気の影響による冷たい風が続いた。この風が、意外に乾燥した風なのだ。

　今日は、葉もの類の植え付けを行った。朝植えつけて、出荷仕事に追われた。夕方になって、朝植えつけたものを手直ししたり補植したりしたのだが、うまく機械植えされなかった苗が、ところどころ畝の上に放り出されている。それがもうカラカラに乾いているのだ。冬であれば、放り出された苗は、半日たっても湿り気を保ってくれる。この違いには季節の移り変わりを感じる。おひさまの照り付け具合が強くなっているということであろう。それに、大風のあとには、またすぐに手の指がひび割れた。春先は、雨がなければ意外に乾燥が強いのである。

　植えつけた葉ものの畝に、堆肥をまく。４条に植えつけられた葉ものと葉ものの間に堆肥を置く作業だ。そこへ、「おとうさん、サッカーの時間だよ」と長男が呼びに来る。昨日は、ジュビロ磐田の試合を見に長男と出掛けたために、サッカーの相手をしなかった。畑仕事を早く片づけたいが、仕方がないから３０分ほどサッカーに付き合う。冷たい風が吹いているが、３０分サッカーすれば汗だくだ。下着のシャツを着替えて、もう一度堆肥まき。すぐに暗くて見えなくなる。

　連トラクターのエンジンをかけ、ライトをつけて作業を進める。軽油を使ってしまうが仕方がない。堆肥をまきおえたら、ネットをかける。７０メートル２本のネット掛けは、暗闇では時間がかかる。散水チューブを設置して、井戸水モーターを回す。まだ水は出てこないが、作業終了。もう２０時１５分！子供の相手をしながら夕飯をかきこんで、お使いに車を走らせる。

　明日は、三女の誕生日であることを三女が告げに来て、ケーキを買う代わりに三女が自分でケーキを作ると言う。でも、明日の夕方の三女には、一時間ほどしか時間に余裕がない。結局、「朝早起きして、ケーキのスポンジを仕込んで、夕方デコレーションする」ことになって、そのためのイチゴと生クリームを買ってきてほしい、と要望された。ついでに英語のノートも。

　三女は中学に入学して、仲良しの近所の子と同じクラスになったので、毎日のようにその子を家に連れてきて、英語などの自主勉強をやっている。学習塾に通わせない方針なので、英語は初体験で不安なのかもしれない。まだ卓球部に入部する前の状態で、時間に余裕があるからできることだ。部活が始まれば、お菓子作りは思うようにできなくなるだろうな。夕方、下着を着替えに戻った時に、今日はおやつないのか？と三女に訊いた。そう？ほしい？クッキーでいい？と嬉しそうに答えた。作業を終えて、夕飯をかき込んだあとにクッキーをわけてくれた。そして、明日のケーキ作りの話となったのだ。連れ合いは、配達がてら実家まで足を伸ばしている。

　なんや知らんが、この４月は、例年の４月以上に子供たちに変化がある。入学がダブルになっただけではないようだ。皆が、新しいことを始めているような、そんなタイミングである。買い物から戻れば、もう子どもたちは寝ていた。暗闇を畑に出て、井戸水を確かめホースのねじれを修正する。何とまぁ、仕事と生活の入り乱れた生活だろう。

2013年4月11日　寺田潤史

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