「忙殺されそうな五〇代」

　年が変わったばかりだと思っているうちに、もうひと月が過ぎようとしている。何だか忙殺されたような五〇代を送っている気がするが、これでいいのかどうなのか自問自答する日々だ。人は果たして、有意義な人生を送る必要があるのだろうか？あるいは、有意義の定義が曖昧で、自分自身が納得できる一日を積み重ねたとしても、はたまた、全く事務処理出終わってしまうような一日だったとしても、それを有意義と感じるかどうかは、僕とあなたとでは大いに違うものであるなぁ、と感じるこの頃だ。

　今朝は、長女のコンクール申し込みのために朝九時の郵便局行きが決まっていた。学校で昨日ぎりぎりの日程でホルンを録音してきて、そのＣＤを夜九時頃になって長女に渡された。３曲分あるから１曲だけ切り出してＣＤに焼いて、ということだ。音楽用のパソコンが壊れていて、まだ新しいものをどうするか検討中で、仕事用のパソコンで編集するほかはない。音楽用のパソコンなら、ソフトもハードもバッチリなので、あっという間にできる作業だが、仕事用のパソコンでは、音の確認すらややこしいことになっている（きっちりとした音の確認は、パソコン付属のサウンドでは到底できない、というかしたくない）。というわけで、夜の種播きは延期になった。

　そして、朝の郵便局の前に出荷を済ませて、その用意したＣＤに応募料を添えて現金書留を速達で出した。明日までに必着の応募である。こういう必要であるような雑多なことが、やたらと多い日々なのだ。そして、雨の前に植えつけたい２月植え予定の玉ねぎの苗を、いそいそと機械で植え出した頃には、雨が降り出してきた。昨日の夕方に一畝植えたのだが、今日は半分植えたところで、リコイルスタータの紐が切れた。雨でなければ修理するところだが、雨も強くなってきたので、移植機にシートを被せて終わりにした。

　昨日植えつけた玉ねぎの苗の手直しをする。何と言っても、昨秋のヨトウムシの被害で、玉ねぎの苗は壊滅に近い状態だった。なんとか盛り返したが、その苗の貧弱なことと言ったら、本当に久しぶりにしょぼい苗を植え付けることになってしまったので、手直しするにも気が滅入る。カッパ着て雨の中を、「このしょぼい苗を植えて本当に育つのか？こんなことして意味あるのかなぁ？人は意味ある行動をとらなければいけないのかなぁ？」などと呟きながらざっと作業を終えたのだった。この数年、１月の雨でも結構な量の雨が降ることが多く、今日も１５ミリほど。

　だいたいパソコンを壊れたままにしておくのがいけないが、治すにも数万円はかかるし、新調するにもＯＳとの互換性を考えなくちゃいけないソフトやハードが多すぎる。やるべきことをきっちりやっておかないと、フワフワと落ち着かないから、すべてが事務処理のように進んでいく時間を過ごしている日々。そう、事務処理はやらなくちゃいけないことだが、いくら事務処理をやっても野菜は育たないのだ。こんな具合に、何だかあれもこれもがごちゃごちゃになって、余計に落ち着かない。しかし、朝のコーヒーを淹れる時間に、平行してギターの基礎鍛錬をすることだけは執念で続けているから、そこのところはとても落ち着いた気分である。やっぱり、やるべきことは一つ一つやっていかなくちゃ、と腑に落ちるのだ。

2014年1月30日　寺田潤史

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