三女の風邪をもらって、近所のかかりつけのお医者さんに行った。まだ熱の出る前で、咳も出ず、喉が痛くなったから早めに行ったのだ。３月以来だとお医者さんに言われて、あら、そんなに来ていなかったっけ？と思い返す。ああ、子供たちを連れて何回も来ているからか、と腑に落ちる。早めに薬を飲み始めたわけだが、結果的には熱も少し出て、咳も出始める。

　歳を重ねると、どうもすっきり風邪が抜けない。４日もお酒を飲まないで、よく眠り、仕事は最低限をこなしただけ、にもかかわらずすっきり治らない。お医者さんに行ってから６日目はもう完全復活と思っていたが、配達に出てみて、一軒分の野菜を持って出るのを忘れたことに気付く。コーヒーを淹れようとしても、挽いた豆の粉をひっくり返す。何やってんだ？と全快でないことに気付かされた。夕方、長男のサッカーの相手をしても、覇気のあるキックができない。カラダがフワフワしている。

　風邪を引いている間に、長女の自転車がまたパンクしたという。風邪の引き始めに自転車の後輪のチューブを取り替えたばかりだ。タイヤ自体も交換しておけばよかったが、後の祭りだ。ネットで調べてみると、タイヤのチューブもタイヤ自体も３年で取替が原則だという。もう６年目だもの。とりあえず、パンク修理して、タイヤを点検してみると、ガラスの破片などを幾つか拾っている。こりゃパンクするわ。今度またタイヤも交換しなくちゃだ。

　カラダの調子が良くないと、いろいろな負のイメージが頭を駆け巡る。自分の存在自体が意味のないものだとさえ思えてくる。カラダが元に戻ると、それらのイメージは消えていく。そのもとに戻る直前の状態が今の状態だといえるが、この時が一番中途半端な状態だ。仕事を進めたいが、カラダが思うようについて行かない、とか。そういう時には、とにかく人の流れに従うことにする。

　今朝は、連れ合いに「朝、二人で行ってきちゃおうよ」と言われて何のことかわからなかった。次女の高校生美術工芸展のことである。はー、と受け身に答えて準備を始めた。開催期間があと３日しかなくて、土曜日や日曜日に子供を連れて出かけるのも困難であるから、という理由だ。運動会でもあるまいに、平日の朝からおでかけなんて、かなり久しぶりのような気がする。油絵初心者で、はじめて絵で賞をもらった次女のために、少し時間を使わせてもらおう。

　次女の油絵は、自画像と聞いていたが、自分の顔周辺に１５人の自分の小人を配した作品だった。ふーむ。言葉でコメントのしようがない。技術的には、筆のタッチが雑で、かなり丁寧なタッチの作品もあったから、学ぶべきことは数限りなくあるのだろう。大きな作品でそれなりに迫力があるものが多かった。ただ、いかんせん、未来が見えてこない。そこからどうなって、こうなって、ああなれば大成するだろう、という未来図が、絵に関しては全く僕にはイメージが湧かない。これで、漫画家志望をやめて油絵で大学に行く、という進路変更があったとしても、そこから先のイメージもまた湧いてこないのだ。これは、僕が病み上がりで、負のエネルギーから脱却できていないからそう思えるのかどうなのか？

2014年11月6日　寺田潤史

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