昨日は小学生の持久走大会。朝の納品を済ませて、連れ合いと小学校へ、四女と長男を応援しに出かける。四女は、去年１２位だったが、今年の試走では２０位と後退している。悲壮な顔で走る四女は、相当に大変そうだ。それでも、１６位でゴール。よくやったが、四女は泣いていた。

　長男は二年生。去年はゴール直前でボケーッとして、抜かれて３位だった。今年は、最初からトップのＮくんに食らいついていく。彼の肩のあたりに長男の頭のテッペンがある。それ程に体格差があるのだ。しかも彼の親は若くて、何だか陸上選手みたいな格好で応援しに来ている。こっちはつなぎ服の５４才だ。結果は僅差でも大差でもなく２位。もう少しカラダが大きくなれば１位も夢ではないかもしれない。未来にとっておく楽しみの一つだ。ちなみに、長男のサッカー少年団の友達は、３位、５位、６位、９位とトップテンに５人を送り込んだ。そこから判断すると、ボール扱いがうまくなれば、チームとしても強くなれるのだけれど…。

　やれやれと家路につく。苗に水をやったりして、コーヒーを淹れて、休憩。そこへ速達の連絡が。え？発表は今日でも、郵送だから明日じゃなかったの？長女の音大の合格発表である。何だか、薄っぺらな郵パックが送られてきた。ああこれじゃ不合格かな？とドキドキしながら開封すると、何と合格である。えー！？やったーーーー、と思わず叫んでしまう。これほど喜んだのは、昔のバンドのコンテスト優勝以来かも？（子供が生まれた時の喜びもあったはずだが、今はもう幻のようだし）。信じられないが、この３年あまりが実った気持ちである。すごいな、長女。

　そういえば、今日３日は結婚記念日である。何回目だ？と数えてみると２０回めであった。２０周年の祝いを、長女からもらったような気分だ。私立高校から私立大学へ。お金をかけずにそんなことが可能なのか？不可能だから諦めていたことを、可能にしたのは、努力だけではない。人が人を呼び、先生が先生を呼ぶ。それに応えなければいけないのだが、応えるのが教えを受ける側の姿勢であろう。それでも、毎日の不断の取り組みは至難の業でもある。

　次女がこの頃言う。沖縄県芸（大学）を油絵で受けたいと。倍率が低いという単純な理由だが、僕は異を唱える。芸大を狙え、と。僕は芸大信者じゃない。お姉ちゃんだって、ずっと芸大一本できた。それが、降って湧いたように突然私立大学の道が開けたでしょ？同い年で日本のトップクラスになれたら、自然と道は開けてくるだろう？だから、芸大を狙え。何もないところから何かを生じさせるには、技術を高めなくてはいけない。そう言うと、次女は、そうか、と頷いた。

　長女の合格と結婚２０年のお祝いに、三女にケーキを作ってもらった。よく喧嘩をする姉妹なのに、こういうことには時間をかける。お祝いムードで、早々と仕事を切り上げる。長男とサッカーはやったが、四女には好きなだけiPadを使わせて、めざしを焼いて、７時には一杯やり始める。学校から帰ってきた長女は、お世話になった先生方にお礼の電話やメールに余念がない。

　長女の話では、高校のホルン専攻の後輩が、長女の合格に涙して、自分のお母さんにまで学校から電話をかけて報告したそうだ。あんな先輩でも、カッコよく映っているのだろうか？嬉しい話しだ。何とも記憶に残るような、磁気婚式となった。

2014年12月4日　寺田潤史

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