今週の寒さは、１２月としてはあまり記憶に無いほどに厳しかった。今朝は、風もなく、穏やかに晴れたが、昨日に引き続きマイナス１度の気温で、畑は真っ白に霜で覆われた。昨日は、ここよりも数キロ北までは雪が降ったようである。このあたりは、黒潮の影響か、めったに雪は降らないので助かるが、霜が強く降りては朝の収穫ができない。

　昨日、一昨日の風の強さ冷たさにも驚いた。２月初めの真冬のような、厳しい師走となった。２０メートルもの風が差すような冷たさで吹いてくるのだから、子供たちが一様にしもやけを訴えるようになるのもわかる気がする。我が家の風通しの良さは格別で、明治末期の建物そのものだが、そこへ長男などが障子の紙を大量に破いたものだから、石油ストーブをやってもなかなか温まらない。あわてて障子紙を買ってきて、つぎあてて暖を確保する。薪の風呂も、水温、気温ともに低いので、お湯が沸くまでに時間が掛かる。笹竹と松の木の切ったものを、せっせと集めて蓄える。これが僕達の冬である。

　薪を切る電動ノコギリも、今年は使っていなくて、専らノコギリを使っている。電気節約にもなるし。電気といえば、今年は大方の電灯を、LEDランプに交換した。かなりの節電になる。電気ストーブも使っていないし、電気コタツも出していない。湯たんぽはフル稼働だから、納屋の薪ストーブは必須だ。しかしながら、納屋の薪ストーブと湯たんぽと小さな石油ストーブ一台で、この寒さをこの寒い家で過ごすことは、子供たちの強さにつながっていると思う。

　これらのことは、子供たちが友達の家に遊びに行って、違いを感じることにつながる。お金がないから、という理由だけでこのような生活をしているのではない。iPhoneは子供たちの分と併せて４台もあるし、iPadもある。ＰＣも４台。必要なものは使うのだ。１４年前にはＰＣもなかったし、携帯電話すら使用しなかった。それでも、その他は、２０年前と変わらないような生活だ。果たして、あと２０年経って、子供たちが結婚する頃、どのような影響を与えるのだろうか？それはわからないが、この生活全体から受けたものを、子供たちは消化していくのだろう。

　こうでなければいけない、ということは何一つない。たとえば、僕はテレビのバラエティ番組が好きでない。だから、それを見ている子供たちのところへ僕が入っていけば、問答無用にテレビを切るか、チャンネルを変える。その時間を費やすなら、やりたいことはできないよ、という理由だ。これは強権的なやり方だが、命を懸けなきゃやりたいことはできない。子供たちは、お茶を濁しているだけ、だということを知っているのだ。

2014年12月18日　寺田潤史

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