早くも夏野菜の種播きが始まった。ナス、ピーマン、ししとう、トマトなどである。葉もの類はすでに始まっていて、芽が出始めている。また、早いニンジンやゴボウの種も播いた。この寒　さの中で、気持ちは前に行っている。転じて、ニュースでは物騒な話題ばかりだが、ここへきてアギーレ解任の報がとうとう出た。ああ、とうとう規定路線を形にしたな、という印象だ。

　サッカーだけを見れば、日本代表の選手たちもそのサッカーへの熱さからかポジティブな良い印象を持っていたようで、日本にはいないタイプの指導者だったと言える。でも、サッカーにはビジネスの側面は重要な要素であるから、スポンサーの意向が大きく働くという報道にも納得するところだ。詳しいことは事情通に委ねることにして、しかし、代表監督が替わるということは、応援する子供たちにも大いに関係してくるところが重要なのである。

　小学２年生の長男は、この日本代表サッカーが一番好きなようだ。ヨーロッパ各リーグやＪリーグも大好きだが、何よりも日本代表は自然と熱を込めて応援する。それゆえに、アギーレやザッケローニのような名前もすぐに覚えた。ただ、それ以前の監督は全く知らないし、興味もないようだ。それもそのはず、それ以前の５年前には、長男は３歳でサッカーなんて眼中になかった。

　その彼は、昨日はリフティングを７９回まで記録を伸ばした。半年前には１５回くらいが最高であったが、急激に上達し始めたようだ。上達するということは本人も気をよくするもので、一日の練習はじめのリフティングの時間も自然と長くなる。ここ数日は、毎日のように自己記録を更新するようになってきたのだ。９歳前後の伸び盛りに、好きこそものの上手なれ、である。

　１月の終わりに中学の同窓会があった。同級生のＯは少年サッカーのコーチをしていて、長男にサッカーをやらせろ、とけしかけたのも彼である。彼は言う。「そうそう毎日は子供のサッカーに付き合うことはできないもんだよ」と。同じ同級生のＫのことを引き合いに出して「Ｋは悩んでいるよ。子供が本気でサッカーをやろうとしない」とも言う。そりゃ、無理だよ、と答える。「子供がサッカーを好きでなければ、やらせるほうがおかしいでしょ？うちは子供が好きだからやらせているだけで、サッカー選手になりたいというから練習メニューを作ってやらせるんだよ。練習しない時は、サッカー選手にはなれないからおまえの好きなうどん屋さんになれ、と言ってやるんだ。子供だから一年中常にサッカーに集中しているということはありえないでしょ？だから、そこは親が声をかけて、うどん屋になれ、と言うことで自分を思い出させるというわけよ」

　とはいえ、毎日汗だくになってサッカーの相手をするということは、からだも付いていかなくなるし、好きなだけでもできないことかもしれない。長男が小学校から帰ってくる時間はまだ出荷作業の最中である。そこで５分でも１０分でもパス＆ボレーシュートの相手をして、また仕事に戻る。これは自営業でないとできないことでもある。そして夜またライトを付けて相手をするわけだが、下着を替えなきゃいけないほどに汗をかく。そこから夜の種播き作業に戻ることは、なかなか厳しい年齢になってきたことは確かだ。それでも、様々な生きた球に数多く関わることは、あの年代にとってあとからではできない経験となるはずだ。

2015年2月5日　寺田潤史

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