いやはや、昨夜からの雨は、これでもかこれでもかと降り続けてくれて、９０ミリを超える雨量だった。昨日、レタス類を植え付けて、堆肥を施し、ネットを掛けておいて正解だった。ネットを掛けなければ、堆肥は流されていたところだ。その前の雨はいつだったかも忘れるくらいに頻繁に雨が降っていて、レタスを植え付けるにもぬかるみに足を取られそうな状態だった。

　数日前に、長靴に穴が開いていたことに気付いた。長く使っていると、ゴム長靴は硬くなり、破れやすくなる。左足の踵と、右足の親指の付け根あたりが破れた。レタスを植え付ける畝間に水を多く含んでいるので、左足はつま先で踏ん張り、右足は踵で支えるという、何とも不自由なレタスの植え付けになった。雨さえ降らなければ、機械で植え付けてしまう予定だったのだ。

　朝からの大雨で、これは長靴を買ってこないと気持よく作業できない、と朝一番に気付いた。幸い、ワークマンは朝７時から開いている。早速長靴を選び、ついでにレインスーツのズボンを買ってきた。レインスーツは何年も使っているので劣化し、雨水が足に入り込むようになっていた。外は雨でも、暖かい。新しい長靴とレインスーツを履くと、とても気持ちいい。あまりに気持ちいいので、キャベツを植え付けた。雨の中を素手で植え付けても苦にならないくらい、気持ちいい。やっぱり道具や装備は、きっちりしておかないと。我慢は、精神衛生上もよくない。

　昼間、収穫した野菜の仕分け作業で、いつものように野菜を新聞紙でくるんでいると、新聞の中に若い男性のヴァイオリニストの写真が目に入った。五嶋龍と書かれている。五嶋？ってたくさんある苗字でもないから、ヴァイオリニストの五嶋みどりの関係？と思って調べてみた。そうだった。そして、検索した記事の中から二人を育てたお母様の五嶋節という人の書いた、子育て論のようなものがあった。少し引用してみる。● ヴァイオリンの練習は"楽しく"させてきた。●お母さんと競争させよう！これも親子のコミュニケーション。●「いじめ」はなくそうとするより、熱中できることを与える。●自分に自信のあるやり方で子どもに接する。

　この方の考え方は、とても僕と似通っている、と感じた。今、うちの５番目の長男が将来サッカー選手になれるかどうか、大きなチャレンジしているところ。いろいろな方法で練習をさせているのだけれど、長男が楽しめない練習では意味がないと思う。子供がサッカーを上手くなるには、サッカーを好きになることが第一だし、自発的に練習メニューをやりたいと思うくらいでないと。それには、大人の力は必要だ。欧州サッカーの試合を夜毎チェックして、一流どころのプレイを感じ、そのために子供に何が必要な練習かを考えるのだ。専門的なことは専門家に任せるのがいい。しかし、日々の積み重ねには、面白くて実践的な練習が必要だ。そして、競争して勝ちたい、負けたくないという心を積み重ねることも必要だ。

　やりたいことが見つかっていない子には、何をしたいかを常に問いかけて一緒に考えてみる時間も必要だろう。何よりも、親自身が自分を信じることをしなければ、とも思う。冒頭に書いた、苗の植え付けを気持よく作業する、その気持ちよさの感覚を、親も子も立場を替えて味わうことが、一つの満足につながる。日々の積み重ねは大変だけど。

2015年3月19日　寺田潤史

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