今朝は気温１３度と低く、乾いた風が吹いていた。昨夜、半分植え付けたモロヘイヤは、苗の半分を畝の上に置いたまま今日に持ち越した。二日前の雨を持ってしばらく雨はない、と思っていたので、今朝は５時半からモロヘイヤの苗の植え付けの続きだ。起きて気付いたが、夜中に雨が降ったようだった。「おー、神は存在するなぁ」とこんな時に思う。苗を植え付けると雨が降ってくれるのだから。

　二つ目の台風は、早めに東へと曲がってくれた。僕たちは、常に天気を意識して生活する。お天気具合をあいさつ代わりにする、という昔の人と同じ道を歩んでいる。子供たちは、それらをほとんど意識せずに、自分だけのことを考えている。ただ、朝、学校に出る前だけは、今日は暑いのか寒いのかどうかを訊いてくる。天候によって、着ていく服を変える必要があるからだ。それはつまり、快適に過ごしたい、という気持ちが強いことを意味する。暑すぎたり、寒すぎたりする学校生活は快適でないとわかっている、ということだろう。そういう意味では、将来、彼らもお天気をあいさつ代わりにする素養をすでに持ち合わせている、とも言えるかもしれない。

　話は少し逸れるが、サッカーやいろいろなスポーツでは、一歩先を読んでプレイすることが楽しさや快適さにつながる。日常的にそのスポーツに順応しようとすれば、相手がこちらに対応してくることを予想して、次の予想できないスペースを使うことで、より積極的な楽しさが生まれる。折しも、日本時間の今夜、サッカーのバルセロナでプレイしてきたシャビが退団を発表した。彼のプレイは、いぶし銀のようであるけれど、サッカーをプレイする楽しさそのものである。

　バルセロナは、メッシやネイマール、スアレスのような得点に絡む華麗なプレイに目を奪われるが、中盤の底で試合を組み立てるシャビは、チームの頭脳と言われてきた。その彼のプレイを見てみると、実はとても攻撃的で、攻撃のためのポジショニングにすべてを賭けているような印象さえ受ける。誰もいないスペースに、見方が飛び込んでくることをイメージしてパスを出し、パスを出した瞬間に別の相手と相手の間のスペースに身を置くことを楽しんでいるかのようである。その空間認識の楽しさは、それを楽しいと思った人にしかわからない、かもしれない。

　話を元に戻す。天気予報という、実に当たり前に思われる環境予想は、多くの人に影響を与えているが、予想して備えるという楽しさも存在する。サッカーで言うところの、相手と相手の間のスペースは、そのまま晴れの状態と雨の状態の間のスペース、ということもできる。お天気自体を予想するのは天気予報士だが、こちらはその予報をもとに仕事の段取りと決断を迫られるのである。確実性も必要だが、根幹は積極性というか攻撃的な気持だ。草が生えていやだなーと思うか、草を刈って気持ちいいと思うかの違い、と言ったら言い過ぎか？

　台風という厄介な存在は、確実にやってくる。それを受けるだけなら、相手チームの猛攻に耐えているようなものだが、隙あらば相手のボールを奪ってスペースを見つけ、攻撃に転じることはできないだろうか？根菜類や保存の効く野菜を増やすことが守備で、台風に弱い葉物野菜などを頻繁に作付けて収穫していくことが攻撃と言えるかな？

2015年5月21日　寺田潤史

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