今日はもう、納品と買い出しから帰って、夕方６時。ブラックニッカをロックでいきなり飲みだした。足の筋肉のいたるところが、もう限界に達している。夕べ、マッサージ棒で、土踏まずや腰、ふくらはぎなどを自分でマッサージして、かろうじて回復したのだが、一日経って、一日働くと、もはや車の運転のクラッチ操作ですら足が痛むのである。単なる過労であるが、休めないところが回復を遅らせていることは明白だ。もう今日の仕事は終わり、と決め込んで、夕方６時から飲みだすなんて、どれだけ久しぶりだろう？

　うちの畑では、一年で一番出荷に忙しいのが、５月６月である。一般の農園の葉もの類が不足したタイミングで、うちの葉ものが豊富になるからである。それにはからくりがある。１０数年年前になるだろうか、タマネギ栽培に力を入れるために、タマネギ移植機を導入した。そして、そのタマネギ移植機を汎用的に応用して、葉もの類の移植に取り入れたのである。

　結果的に、タマネギも葉もの類も、安定供給に大いに寄与した。だが、予期せぬことが起きた。タマネギの収穫期も５月６月になるために、葉もの類の出荷とかち合ってしまったのである。そして、この冬はタマネギの苗の生育も悪かったことも手伝って、タマネギの収穫がとても少なかった。それは一方で、葉もの類の収穫の時間を増やすことにつながってくれたのである。ある意味、皮肉な結果となっているけれど、タマネギ移植機を導入しなかったなら、春の端境期に葉もの類を豊富にする、という事態も起こりえなかった。この時期の葉ものが豊富という副産物も、すべて意思と偶然から始まると言っていいだろう。結果、疲れがピークに来ているのだ。

　夕方６時から居間に父親が陣取る、このことは珍しいことである。いつもなら、長男のサッカーに付き合っている時間で、今日は雨の日と過労が重なった。父親がいない時には、子供たちはテレビを見たり、好きなことを邪魔されずにできる時間でもあるのだ。そして、今日は買い出しついでに、業務用の冷凍ダコを買ってきた。四女のたこ焼き機を復活させるためでもある。期末テストの終わった三女も、久しぶりにケーキを仕込むことができると、ネットでレシピを物色している。父親の近くに子供たちがいる、という平日は久しぶりである。

　たまっているコパアメリカの録画サッカーを長男と見る。サッカーで一番大事なことはボールを蹴ることだが、イメージとして一番大事なことは、レベルの高い試合を日常的に見ることである。練習だけしていても、それではサッカーの質は上がらない。草サッカーとレベルの高いサッカーが日常的に混濁していること、それが重要なのだ。簡単に言えば、あんなレベルの高いことはできっこない、という世界ではなくて、あのレベルの高いことを日常でやってみよう、ということが楽しさと厳しさの入り口に必要なのである。

　四女が、「紅しょうががないよ」と言ってくる。たこ焼きのタコがない、ということしか思い浮かばなかったのだから、よほど疲れている証拠だ。紅しょうがのないたこ焼きを食べながら、テレビ画面ではブラジルがコロンビアに負け、ドゥンガ監督が映し出される。長男も、ジュビロ磐田にいた頃のドゥンガのようなボランチになれないかな？

2015年6月18日　寺田潤史

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