今朝のひどいお天気は、今年を象徴するようなお天気だった。朝８時で気温２１度、朝方の最大瞬間風速は１９ｍ、雨量は３５ミリほどでした突風を伴って、家の周りも台風後のように散らかった。明日は法事があるというのに、おふくろや三女などがきれいにした庭は、松葉などが散乱、お手上げです。玉葱を植え付けるために昨日張ったばかりの生分解マルチフィルムが、飛ばされないように慌てて土をあちこちに置くという作業も追加。この時期のこの暑さも異例だが、突然天候が変わる、しかも極端に変わるところなど、今年の特徴的な天気だろう。ようやく青空が広がって、洗濯物を干していると、今度はまたたくまに黒い雲が広がって、またしても雨。ため息が出そう。

　家族にとって、今年の最大の変化は、長女の大学入学である。私立の音楽大学なんて、うちのような農家の子供が行けるようなところではないと思っていたのだから、数年前からしたら予想外中の予想外である。去年の今頃、その音楽大学への入学が決まって大喜びしたことを思い出す。今となってみれば、案の定、入ってからが大変であるという現実を目の当たりにしている。そして、先の１１月、大学の学生寮からアパートへの引っ越しへと、更に予想外は募る結果となった。

　長女にしても僕にしても、長女の将来、たった数年後の将来、演奏家としてやっていけるかどうか？それがこの大学生活の焦点であることに間違いはない。そのためにどのような生活をするか？いろいろな催事に振り回されて、肝心の演奏への熱を分散してはいけない。同時に、一人暮らしを始めた長女が、どのように自立への道を体得していくか？食生活を自分で管理し、一人の人として歩いていくことをゆっくり見守るのが親の役目であろうか。遠くに暮らしていても、気になるものだ。少し期間をあけて、メッセージでのやりとりで演奏への熱を加速させるように促した。

　高校二年の次女は、絵のコンクールで賞をもらってはいるが、県一位にはなっていない。そのくやさしさは相当なものであったようだが、実力が一足飛びに伸びるものではない。進歩はしているようだ。漫画家への道はあきらめて、油絵一本で大学に行きたいらしい。油絵を続けるということは、別に職業も必要な場合がほとんどなので、教員免許を取って絵を教えながら油絵を続ける、というビジョンを描いているようだ。長女をまねて目星の大学に、特待生（授業料免除）で入ることを目指している。高校までの片道一時間の自転車通学を、よくもまあ頑張って続けているものだ。さすがに今朝の暴風雨では、軽自動車に自転車を積み込んで送ったけれど。

　天候という困難な相手を選んで有機農業を続けること、これもまた大変なことではあるけれど、長女も次女も困難な道を志している。その進む形のイメージができているところが、僕の一〇代後半とは違うところだ。こちらはこの歳になっても困難な道のりを歩いているが、子どもたちをそのような道に行かせようとしているのだから、これは楽天性のなせる技かもしれない。ただの馬鹿だから、大変なことになって初めて慌てるのだ。

2015年12月11日　寺田潤史

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