今週はとうとう疲れが出た。休みなく働き通しだったのだから無理も無い話だ。働き通しという言葉の中に、野菜の仕事、サッカーの相手、子供たちのあれこれ、も含まれる。野菜たちも生き物、こどもたちもしかりである。疲れが出たとはいえ、完全な休養日などあるはずもないのだから、できるだけ休養するということになる。

　僕の代わりでもないが、連れ合いが今週は２日ほど長男のシュート練習に付き合ったようだ。シュートを受けるだけだが、それでも連れ合いには相当に堪えたようだ。連れ合いも、高校まではバスケットボール部のキャプテンであったそうだし、カラダを動かすことは好きなほうである。だから、長男のシュート練習に付き合うにも、それなりに工夫するのだろう。だから、余計に疲れるのだが、長男のシュートも強烈になってきているので、４０代の女性が相手するのにはそれなりの覚悟が必要になってくる。シュート練習したあとに、翌日のための収穫をする予定だった連れ合いは、あまりの疲れにあっさりと降参して収穫は諦めたようだ。

　この頃、僕はあまりシュート練習の相手はしない。１対１のを激しくやりあったあとに、僕のカラダを休めるために、１本か２本シュートを打たせるだけだ。先日は、練習を考えるために、バルサスタイルのパス練習を、連れ合いにビデオに撮ってもらった。ビデオを見ると、自分のボールを蹴っている姿は、まさしく５６歳そのものだった。しかし、よく見てみると、しっかりとボールをスペースに意図するボールを蹴って、長男の練習になるようなことをしているのである。簡単に蹴っているように見えるが、意図する２歩先３歩先にボールを蹴って走るということがどれほど難しいことかと思う。

　自画自賛するために書いているのではない。長男が小学校にあがってから、サッカー選手になりたい、と言い出した時、僕がイメージしたのは、生きたボールをどれだけ動きながら受けて蹴ることができるか、その積み重ねなら応援できるだろう、ということだった。それからずっと毎日のように練習に付き合ってきている。だからこそ僕が動くことができるのだ。僕は、サッカー経験者とはとても言えないほどの期間しかサッカー部に所属していない。ただのサッカー好きである。サッカー経験者の親は世の中にいくらでもいるだろう。ただ、うちは自営業で、夕方の１時間ほどならなんとか練習時間に充てられる。あとは、どれだけ身を削ることができるかだ。

　野菜の出荷が忙しい時期が続いて、カラダはよれよれのままだった。疲れが出るのも無理はないことも承知していた。でも、こうしてたまに休養優先の日々を送ることも必要なのだ。よくぞあれだけの練習をしてこれたものだと、休養中は思う。しかし、休養があければまた、あの練習ができるのである。短い足元のパス交換を数本した後に、スペースにボールを蹴る感覚、それは気持ちいいものがある。長男がそのボールにうまく対処してシュートを決められれば、大きな声で褒めるけれど、それ以前にコンテナとコンテナをディフェンダーに見立ててその間のスペースへボールを送る感覚が自分自身で気持ち良いのである。ああ、しかし、休養のおかげで佳境に入ってきたユーロとコパの試合をほとんど堪能していない！

2016年6月24日　寺田潤史

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