今週もまた、零度近く冷え込んだ日もあり、雨が降れば五十ミリを超す雨量で、激しく天候が変わっている。今夜も冷えている。すでに気温三度だ。日中、日差しのあるところではぽかぽかと暖かく、日陰はかなり冷え込む。夕方はもう寒いので、もうとうに収穫の終わったモロヘイヤの樹を引き抜く作業をして体を温めた。ひと夏の栄華を終えたモロヘイヤの根っこは、鎌で切るのも一苦労なほどに頑丈である。体を温めるに値する作業だ。

　僕にとって、この秋に腰を痛めたことは大きなことだった。今は、モロヘイヤの樹を引き抜く作業ができるほどに腰は回復したが、養生にひと月以上を費やしたことは初めての経験だ。農作業だけではなく、長男とのサッカーが影響を及ぼしたと知った時にはびっくりだった。真夏の暑さの中での一対一で対峙すること、それは「サッカーで死んでしまうかもしれない」と冗談半分に言っていたくらい大変なことであったが、心臓への負担が大きいと思っていたのである。まさか腰に来るとは、と自分自身にあきれた。考えてみれば、当然といえば当然である。思いは常に自分自身の偏りである、と知らされたわけだ。今は、また普通に長男と一対一などをしているわけだが、あくまでも長男を助けるための相手であることを自分に言い聞かせている。

　長男は、今年もサッカーに明け暮れた。四年生で県大会も経験できたし、五年生、六年生の試合でもそれなりに通用する部分があることもわかった。六年生に削られて、足を痛め、ストレッチの重要性も身に染みてわかりかけてきたようでもある。しかし、僕と練習をすれば、本当にへたくそであると思う。僕がうまいのではない。子供同士で試合をすれば、サッカーがうまいように見えてしまうが、僕との練習で僕が要求することをほとんどできない。本人もそれはわかるのだ。良いプレイができればほめるし、一対一ををやると僕が負けてしまうことも多くなってきた。しかしながら、やっぱりへたくそである。

　パスの精度がよくないし、走りながらボールを受けてシュートをして枠を外すことも多すぎる。それなのに、子供同士の試合になると、良いプレイをすることが多い。先日も六年生のカップ戦グループリーグ予選で、試合開始早々、左サイドでボールを受けてすばらしいスルーパスをトップの選手に出していた。左に流れてサイドに指をさしてボールを要求し、走りながら良いトラップしてすぐに相手ディフェンダーの届かないコースに絶妙のスルーパスを出したが、フォワードは決められなかった。今年一年での一番のプレイだったかもしれない。

　四年生や五年生の試合では、中盤の真ん中で守備と攻撃を司る役目が多い。六年生の試合では、トップや中盤の左サイドをやらされることが多い。複数の学年で出ることで、いろいろなポジションを経験できるのはいい。それらいろいろなポジションを想定しながら、家での練習方法を考える。へたくそでもいつかはできるようになるものだ。そのように、主として長男の練習で長男を走らせるような方法でいけば、自分の腰への負担は少なくなると考えている。一対一ばかりガチンコ勝負でやっていては、また腰を痛めるだろう。自分自身としては、サッカーの練習相手をよく頑張った一年と思うのだが…。誰もほめてくれない。

2016年12月15日　寺田潤史

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