怒涛の勢いで２０１６年が暮れて、穏やかな年明け正月であった。暖かく風もなく、家族で風邪を引いている者もなく、３日までファーマーズマーケットへの出荷も休んで、珍しくゆっくり過ごせた正月だ。３日は、宅急便での出荷を開始し、来客の準備もして慌ただしさがあったが、夕方には家族で買い物に出る余裕があった。

　昨年から正月は、長女と過ごす正月になった。暮れの２９日夜に帰省し、３日の朝には帰京したので、４日半の滞在だった。次女以下、久しぶりの姉との時間は、特別な時間であったろう。すでに働いていて出かけるたびに化粧をするようになった三女、これから化粧を覚えようとする二女、それぞれに化粧品などの買い物を長女と過ごしたことも楽しそうであった。

　今年、長女は８月に室内楽の勉強会で１週間ほど長野県に滞在したあと、スウェーデンに短期留学する予定である。この年末になって、師匠からドイツ短期留学のお話もいただいた。スウェーデンかドイツかという話のようであったけれど、ドイツは３月の話である。時間的に余裕がないので大学との調整も必要だし、ということで、結果的には両方とも行くことになりそうである。こういう話を持って来ていただくことだけでも幸せなことであるが、演奏家になるためにはこういう機会を生かしていかなければいけないだろう。長女にとって正念場となる年になりそうだ。親としても、心を強く持って見守る必要があるだろう。

　次女は、春に北海道での大学生活が始まる。遠く離れての新しい生活は、大きな転機となる。春といえば、長男のサッカーにとっても重要な季節になる。少し狭き門になるアカデミーに選ばれることができるかどうか、県トレセンへの入り口に立つことができるかどうか、それらはより高いレベルを経験することができるかどうかということだ。個人的にスキルアップしていけば、それらのことは関係ない、とも思うが、本人はやる気満々である。

　三女と四女がどのような変化を見せるかは、密かに期待しているところだ。三女は、製菓衛生師の試験を一年後に控えるので、そろそろ勉強を始めてもよい頃だ。四女は、進路が全く決まっていないので、取っ掛かりになるような出来事があるかどうか？三女も四女も、本人次第でどのように転ぶかは未知である。

　帰農してまる２７年を過ぎ、夫婦で畑に取り組んで２３年目に入った。それだけ歳を重ねたので衰えは隠せない。だから、マイペースでやっていくことを覚え始めたのかもしれない。年明けからまた新しい畝の小松菜や水菜を収穫し始めたが、「素晴らしい」を連呼して収穫している。僕達が素晴らしいのではなく、そのように育ってくれる小松菜と、そのように育ててくれる土の成長が素晴らしいのだ。極端極端と言い続けている気候ですら、まだまだ野菜たちを育ててくれるのだから素晴らしいと思う。歳を重ねると、素晴らしいと思うことが増えるのかな？

　駐車場で長男のトラップやシュートに、「素晴らしい」と僕が叫ぶ。その回数は少ないが、昨夜も一昨夜も一対一で汗だくになった。あまりに疲れるので、朝起きられないくらいだ。今年もこのサッカー生活が続くのだろう。どこまで体が持つのやら？

2017年1月6日　寺田潤史

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