三月を切り抜けることだけで大満足、のようなことを書いていた記憶がある。それからもうひと月。あっという間にゴールデンウィークに突入しそうだ。桜が遅い、春なのに冷たい風、そんなことを言っている間に、時間は流れてしまっている。でも、それは、物事が動いている証のようなもの。時間が流れたということは、やるべきことをやってきた、ということでもある。

　野菜の仕事で、四月にやったこと。葉もの類の植え付けは当然だし、ズッキーニ、カボチャ、キュウリ、空芯菜、モロヘイヤ、スイートコーン、枝豆の植え付け。トマトやナス、ピーマン、シシトウの鉢上げ、サツマイモの種イモの植え付け、などだろうか。遅れ遅れの作業だが、出荷も休みなく毎日忙しいし、これだけやれているのだからよしとしよう。これから、オクラ用の畝立てとマルチ張りをして、オクラの種をまかなくちゃ。ゴールデンウィークも休みなしである。

　長女も次女も、ゴールデンウィークには戻ってこない。先日、お客様に「娘さん二人いなくなって寂しいでしょう？」と言われたのだけれど、「いやーまだまだ寂しくないですよ」と答えた。下に三人の子供達が毎日ぴーちくぱーちくしているのである。寂しい、と思っている暇がない、というのが本当のところだ。

　三女は、働いているとはいえ、朝は連れ合いが弁当作りで忙しいし、仕事が終わって家に戻ってくればしゃべることしゃべること。一人暮らしをしたいと三女がどんなにつぶやいたところで、当分は一人暮らしなんてできっこない、という印象だ。洗濯は親任せ、食事も親任せ。携帯電話代は自分で払っていて、家に月に２万円入れているとはいえ、一人で暮らせば家賃と光熱費で最低でも４万円はかかるだろう。これで、一人暮らしして、洗濯や食事も自分でやって、好きな２．５次元舞台俳優とやらの鑑賞の時間をどうやってひねり出せるというのか？肝心のケーキ作りの修行や製菓衛生士の資格もとらなければいけないし、一人暮らしどころではないはずである。

　四女の進路は当分決まりそうもない。高校へ行くのか、あるいは大工修行でもするのか？きゃぴきゃぴるんるん気分のまま中学を終えてしまいそうな気配だ。この頃は、三女の影響もあって、２．５次元舞台俳優にも興味を示し始めてきて、ますますもって混迷を深める進路だ。

　長男のゴールデンウィークは、やはりサッカーである。一つ上の学年でＵ１２の予選リーグを４連勝して、次はフットサル大会に参戦する。今夜は、すぐ近くのフットサルコートで練習試合があった。試合開始早々、いきなり怪我の連絡が入る。結局大事に至らず、練習試合をこなしてビデオを持って帰ってきた。ビデオを見てみると、サッカー以上に長男の守備やパスが目立つ。しかし、ここのところ、身体じゅう怪我ばかりである。成長痛と練習過多で体に負担がかかりすぎている。今日の練習試合もやめておけ、と冗談半分で伝えてもいうことを聞かない。

　そうかと思えば、すぐに「接骨院へ行く」と言う。からだの痛い部分のなぜ痛むのかの説明を受けたい、というのが本音のようだ。からだをつぶさないように成長していく、そのことが無理難題のようにも思えるが、本人の納得が肝になりそうだ。

2017年4月27日　寺田潤史

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