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「ワールドカップサッカー2018 その3」

 台風の影響で、ここ数日雨雲に覆われた日が続いている。大雨も各地で被害をもたらしているが、こちらでは今のところそれほどの雨量ではない。そして、また台風が発生したようだ。畑の方は、すっかり夏野菜へと移行し、オクラの花が昨日から咲き出した。もうすぐオクラの季節がやってくる。ナスの樹には、ニジュウヤホシテントウが来はじめており、成虫を見かけると成虫を捻り潰し、成虫のいたナスの樹の葉を片っ端からめくって、葉の裏に産み付けられた黄色い卵の集合を見つけ出す。ここしばらくは、虫との戦いが続くというわけだ。

 ワールドカップサッカーは、今夜から決勝トーナメントの準々決勝が始まる。日本は、残念ながら負けてしまったので、日本人の熱狂は終息に向かっている。しかし、ここからがまた面白いところなのだ。日本対ベルギーの試合は、非常に拮抗した戦術対戦術の戦いであった。日本人が日本人の特性を発揮するには、現段階ではあのパスワークと連携した守備で前に出ること以外にはないのではないか、と思うくらいベルギーの良さを消していたと思う。

 昌子もよかったが、酒井宏樹と吉田、長友の守備は、ヨーロッパの経験で培ったものであることは明白だ。GKの川島も、ミスを帳消しにするくらいのセーブを見せていた。あのミスはポジショニングのミスで、育成の段階からポジショニングに対する意識を高めなければ、日本人のGKはなかなか育たないのではないかと教えてくれた。具体的に言えば、小学生低学年からの育成が必要だと思う。サッカーにミスはつきもだが、何も考えなくてもよいポジショニングができているならば、ミスは極力減らすことができるだろう。

 最後は、ベルギーの底力と、日本人の愚直が出てしまった。あのベルギーが、今夜ブラジルと戦う。やっぱりブラジルはブラジルであるのか、あるいはベルギーが4点取って勝つのか、日本対ベルギーを見たあとであるから、興味は尽きない。フランス対ウルグアイもまた面白そうだ。フランスの豪華メンバー、とりわけウムティティ、ヴァラン、カンテ、グリーズマン、エムバペなどが機能したならウルグアイは零封されるかもしれない。

 フランスの若手ディフェンダー、パバールがアルゼンチン戦で見せたアウトサイドキックのボレーシュートは見事だった。体を横にしてアウトサイドで蹴るそのシュートを、早速、家でも長男が練習し始めたところである。若手といえば、コロンビアのキンテロも良いミッドフィルダーだった。ボールの持ち方やさばき方がミッドフィルダー然としている。

 長谷部や本田が代表引退を表明し、西野監督も続投しないことを明言した。これからまた日本代表は変化していく。若い選手がどんどんと海外でプレイして、経験を積んでほしいと思うのは僕だけではないだろう。昌子のような選手が日本に居ながらにして出てくるには、相当な高い意識が必要だ。そういったことが、ワールドカップを見て改めて明確になってきている。南米勢の大挙した応援風景をテレビで見ると、サッカーの根付いた文化がそこにあるのがわかる。日本はかつてサッカー文化なんて何もないような状態だった。1993年にJリーグができて25年、今は途上にあることは間違いない。途上を体感しているのだ。

2018年7月5日 寺田潤史


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