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「冬を楽しむ」

 次女が二十歳になった。まだ大学生だが、娘たちの中で一番理路整然とした考えを持とうとしている娘だ。だが、やっていることや描いている絵は、空想チックの範疇に収まっている気がする。もう大人だから、僕は見ているだけの傍観者に近いかもしれない。よくぞ勝手に育ったものである。その次女の住む北海道は、マイナス15度に近い気温が続いているらしい。

 僕たちの住む静岡県は暖かい、という先入観が日本人の中に存在する。ここの遠州の空っ風を受ける体感温度が低いことは何度も書いている。その寒い冬をやり過ごすには、暖かさが必要だ。仕事が終わって、部屋に戻り石油ストーブをたいて暖まるのは、楽しいというほどのことではない。外に出て、寒く冷たい風の中を収穫していく中で、納屋の薪ストーブで暖まることも、楽しみというよりは寒さからの避難に近い。では、楽しみというものは、自然界にある廃棄物、すなわち笹や竹や樹木の枯れたものを、短く切断したり折ったりして、薪としていく作業にある。

 僕と連れ合いにとって、木を燃やして暖まることは、もはや目新しいことではない。子供達にとっても、いつも見慣れた光景であろう。だが、この頃の長男を見ていると、それとは正反対の文明の利器をたっぷりと使った生活こそが理想である、というような印象を受ける。例えば、僕たちの住む明治末期に建てられた家、それは古びたどうしょうもない家屋だから、今風の家を俺なら建てる、と言っていることにも伺える。彼の親である僕たちにとって木を燃やして暖をとるという行為が、味わいのあるものだとは想像していないのだ。

 薪を集めることが外の片付けの一つである、ということもまだ理解していないと思う。僕たち人間は、自然界にあるものを利用して、あるいは折り合いをつけながら、何千年を生き延びてきた。現代文明の発達は、ほんの一コマに過ぎないのだ。iPhoneが登場したことなんて、一コマの中のワンカットでしかないだろう。だいたい僕は、18年前までパソコンすら使ったことがなかった。そのパソコンすら今はもう触らない人が増えている。時代の変化が、急ピッチに過ぎるのだ!そのうちに、人間が動物の一種であることすら否定されるかもしれない、と危惧してしまう。だから、野菜納品時のショッピングモールなどで、ベビーカーを押して歩く若いお母さんを見ると嬉しくなってしまう。こどもを産んで育てることは素晴らしいことだ、と内心叫んでいる。

 話が飛躍した。このクソ寒い冬も、捉えようによっては味わい深いものになる。いつか、子供達が年をとって、何かを感じた時に、父や母がしてきたことを思い出す時が来るだろう。あるいは、現代風から進化した住宅を建ててその家が古くなった時、今住んでいる家のことを思い出すかもしれない。長女がドイツに渡って、何年かしたら、またいろいろなことを感じるだろう。

 僕たちは、不便な生活をしたいのではない。iPhoneも使うし、パソコンも使う。しかし、身の丈にあった、身の回りを見渡した中でいくらかの循環を見出したなら、そこに幸せを感じる。君たちの源はそこにあるのだよ、とは言わないが、父と母はそのような生活にたどり着いていったのだよ、といつか伝わる日が来るかな? それはかすかな希望として取っておいて、僕たちはせっせとカラダを動かし、薪を集めストーブに焚べるのだ。

2019年1月31日


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