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「よくないこともあれば良いこともあるもんだ」

 四女が農業高校に合格した。公立単願だから不安もあったが、やれやれというところか。本人は満面の笑みである。この頃は、公立高校に落ちて私立高校に行く子は結構いる。それだけ選択肢も増えて、自由度は増したということかもしれない。大学なんて落ちるのが当たり前だから、高校も同じような流れになってきているのかもしれない。本当は、入学するよりも、入ってからが大変なのが学問というものであろうし、諸外国とりわけアメリカはそのようだが、日本の入学ありきの風潮ももういい加減なところに来ているのだろう。ついでに言えば、日本の学費は高すぎるのである。狂っている、としか言いようがないくらいだ。ドイツの国立大学を見習ってほしいな。

 また本題から逸れた。単願が我が家の恒例になっているので、四女はそれなりにプレッシャーも感じていた。落ちたら二次募集を探せばいい、という気楽な気分よりも、周囲の視線を想像していたようだ。そこから開放されて、高校入学までの2週間あまり、春を堪能するがいい。しかし、合格した途端に、数々の書類を提出しなければいけないことに気付いた。学費や教科書、制服代などのお金の明細も初めて知らされた。三日後には採寸である。事前に日程や金額を知らせることを私立高校はやっているのだから、公立高校も早め早めに開示してほしいところだ。

 次女の腎臓の病気は、どうやら回復に向かっているようだ。先々週に7000だった尿蛋白が先週に620になり、今週は220まで下がった。もう少しで正常値になる。強めの利尿剤から弱い利尿剤に変わって、今度はもう飲まなくてよい、というところまで来た。治療という治療らしきものは何もしていない。利尿剤でむくみを排出させただけである。腎臓内科の担当医は、若いけれどしっかりと説明してくれる。原因がわからないところが、なんとももどかしい病気ではある。カラダがむくむ前のひと月にそれらしき兆候がなかったかどうか、何度も次女は尋ねられたが、一向に心当たりはないようだ。

 このまま完全に回復するまで、そう遠くはないと思うが、油断せずに養生してほしい。次女は、2ヶ月の入院を宣告されていたので、ちょっと拍子抜けして、日々をのほほんと過ごしている。何本も描きためておくはずだった新聞の挿絵の仕事も、締め切りギリギリで提出する程度のエネルギーだ。もっとも、絵のアイディアにはモチベーションも必要なのだろうから、養生することはあまり絵にとってプラスにはなっていないようだ。明るい絵を描きたいそうなので、病気を絵のモチーフにはしたくない、と言っている。

 それにしても、どうしてこんなに忙しいのだろう?仕事が忙しいのは通常として、子供たちのあれこれが次から次へと押し寄せてくる。卒団間近の長男の少年サッカーチームからは、ビデオを頼まれていたので、そちらにも時間を使って編集した。6〜7年間の子どもたちのサッカーの軌跡を、11分半のビデオにまとめた。低学年の頃のボールに群がる子どもたちの密集サッカーから、それなりのサッカーに変遷していく様は、そのまま子どもたちの歴史の一部であった。あとから振り返れば、どんなことも良いことに見えるね。 

2019年3月14日


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