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「59歳 その2」

 59歳の違和感の乾かぬうちにダウンした。あっという間に調子が悪くなり、全く眠ることのできないような壮絶な日々、いや1時間1時間である。原因は明白。過労である。疲れが溜まったのを、軽い休みでしのいできたのがいけない。

 僕の場合、過労でも風邪でも、全てにおいて扁桃炎へと帰結することがほとんどだ。今回、月曜日の時点では、喉に違和感はまだなかった。扁桃炎の辛さは半端ない。夕方、市販の扁桃炎トラネキサム酸主成分の顆粒薬を飲んでおいた。この薬、喉に置いてジワジワと浸透させていくと、どこが患部か何となくわかるのである。かなり喉の奥の方に炎症があるな、という感じだった。

 火曜日には、もう完全に喘いでいて眠れなくなった。喉の痛みはほとんどない。頻尿のような状態にも陥り、胃腸が機能していないようで、頭も痛くなってきた。鎮痛剤を飲んだ時だけ眠れるという有様だ。寝ているのに全く休まらない。仕事は全て連れ合いにやってもらった。

 水曜日には、東京の三女が突然帰省した。連休が取れたからと、僕の59歳のお祝いも兼ねて店のケーキなどを持ってきてくれたようだ。僕の状態が状態なので、あまり話はできなかった。連れ合いが大変な思いをして一人で頑張ってくれていたので、連れ合いにとってはよい気分転換になったと思う。四女も殊の外喜んでいた。東京のケーキ屋では、ほとんどメインスタッフのような役割を頑張っているようで、時には怒られることもあるらしいし、給料も安いが、やりがいを持って楽しくやっているようである。

 木曜日に三女は東京に戻っていった。僕の状態は峠を越えたかに見えたが、午後には吐いてしまった。吐いたものは泡とオレンジジュースだけだ。さすがに、これではと点滴を受けなきゃまずいと、野菜のお客様でもある近所のかかりつけ医に診てもらった。僕のお腹を触診してかかりつけ医は言った。「胃潰瘍などの心配も全くないし、あなたは健康だ。全く問題ない。点滴もする必要もないし、おかゆを食べて寝ているのが一番」と。こ、こんなに苦しんでいるのに、健康だと言われても…。胃腸の薬だけ出してもらって帰ってきた。

 扁桃炎の薬もすでに飲んでいなかった。副作用みたいな感じで頭が痛くなったりするのが嫌だった。薬は、この歳になると副作用の方が敏感に出るような気がする。昔はあまり気にすることはなかった。胃腸の薬も、3回飲んで便秘の副作用のような感じが嫌で中止した。

 金曜日の朝の5時頃から、ようやく眠れるようになった。2〜3時間続けて眠れるなんて、夢のような話である。木曜日の夜には38度6分まで上がった熱も、眠ることでどんどん下がっていった。おかゆを食べて、2〜3時間の眠りをひたすら続けた。

 土曜日のお昼にはとうとう36度0分まで下がった。ようやく回復である。すぐに全開というわけにはいかないが、少し慣らせば週明けくらいからは全開傾向に戻るだろう。長かった。かかりつけ医の言うように、最初から何も薬を飲まずにおかゆだけ食べて寝ていればよかったのかもしれない。だが、体調が崩れ出した時に「はい、数日休みます」と宣言できるほどの潔さを持ち合わせていない。その潔さ、これからの目標にしようかな?

2019年6月6日


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