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「秋らしい秋の深まり」



 初夏に五十九歳になったが、同級生たちは続々と今五十九歳になりつつある。もう、誕生日を嬉しいという歳ではないのだが、歳を重ねて嬉しいこともある。秋が秋らしくなって深まっていく今、その今をとても嬉しく感じるのである。

 いや、若い頃だって、季節が季節通りに来ることを喜んだこともある。でも、今の秋の深まりの印象はまた別物だ。子供たちを7割方育て終え、気候が年々激化していく中で、この秋も台風が立て続けにやってきた。猛暑のあとの台風のあとも雨ばかりの日々。そこへ、不意に秋がやってきたのである。3日ほど前には、秋らしくない雷を伴った雨も降ったが、すぐに空気は乾燥してくる。朝晩の冷え込みもグッと来る。冬を思わせる風も昨日から吹き始めた。それらは、紛れもなく冬の前の秋だ。

 夏の蒸し暑さや、酷暑的な気温、蚊などの虫のやっかいさ、それらも嫌なものではある。冬の厳しく猛烈な風も嫌なものだ。嫌なものは常に僕たちの周りに存在する。昨日も、ニュースで中学生が小学生を刺したという嫌なものを報じていた。人間世界を快適に生きようとすればするほど、嫌なものは過激にやって来るように感じるものだ。しかし、その嫌なものもすべてではない。心地よいもの、幸せを感じるもの、そよ風のように感じるもの、そのようなものはたくさん浮遊しているのである。その浮遊物と関われるかどうかである。その浮遊物の一つに、歳を重ねた僕の秋の深まりの嬉しさがあるのだ。

 説明がややこしい。このややこしさが人である。昔なら、季節通りに秋がやってきて、紅葉が綺麗、で済むかもしれないね。赤ちゃんだって、20年も経てば大人になるのは当たり前かもしれない。でもね、人一人育てるのは大変なことだ、と今のこの時点でも感じている。他人事で済まされないからね。子供を育てることに大変な思いをしているその途中で、自分の子供を殺されてしまう人が跡を絶たない世の中なのだ。

 話は少し変わるけれど、3日ほど前に古いビデオをたまたま発見した。古いと言っても5年ほど前のもの。海に、僕と長男と四女の三人でボールを持って行った時のビデオである。猛烈な風の中で、四女は後ろ向きで風を避けてなんとか歩いていた。長男は僕に言う。「ねー、もう一つの海あるじゃん?そっちも風吹いてる?」僕は答える。「同じだよ、同じ海でしょ?」すると長男は「同じ?同じかー」と納得した。これだけの会話だが、僕は深く感じ入ってしまった。何も知らない子供が、一つずつ学んで育っていく、その美しさ、その子供を育てている最中にはその美しさが見えないものなのだ。

 本来、人は素直なままに生まれてくる。それが歳を重ねることで、どんどんネジ曲がっていく。しかし、さらに歳を重ねるとどうなるか?さらにネジ曲がってしまうか、童心に還るか?秋らしい秋の深まりは、それを提示してくれる。何が本来のものなのか?本来のものなどはじめからありゃしないのか?しかし、人間世界の時間は止まることはなしに動いている。何もできないままに過ごしていても、何かを足しているかな?

 

2019年11月15日


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