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これは人類が初めて直面する地球規模の危機である、というようなキャッチフレーズが的外れでもないくらいの出来事だ。その最中にいる僕たちは、上映時間の定まっていない映画を見ているようなものなのか?さらに観客席で見ている自分と登場人物である自分の、言わば他作他演の演者を演じてそれを自分が見ているようなものか?欧米諸国の状況をテレビで見ているはずなのに、先週末は日本人の少なからずの人たちが気を緩め、今週は一転して欧米諸国のようになってしまうかもしれない、という崖っぷちに蒼白となっている。
それにしても落差がありすぎる。畑で仕事をしている限りは、暖かすぎるくらいの春を謳歌している、という感覚の中だ。iPhoneが鳴って、ニュース速報を見る。すると、いきなり映画の世界へ連れ戻されてしまうようなものだ。楽しみは1%も感じられなくなって、不安だけが煽られるのだ。しかも、それは自分自身の悲劇を予想することよりも、子供たちへの心配、親戚や知り合いの方の心配が強いことで一層不安に苛まれるのである。
しかしながら、対処する方法は、マスクをして、徹底した手洗いやうがい、人と至近距離で長話しないだけ、という単純で潔癖な動作であることがなんとも滑稽な気もしてくる。手を石鹸で洗うことはともかくとしても、顔を石鹸で洗うということを1日に何度も繰り返すなど初めての経験でもある。配達に着ていったジーンズ生地のつなぎを毎日洗う、なんてことも今までにはなかった潔癖さだ。
東京の昨日の新型コロナウィルス感染者が47人と発表されたが、実は検査した人の総数が95人だった、という事実は驚くべき数字である。3月26日の問い合わせ件数が1573件だったという話を聞くと、潜在感染者の数は恐ろしいほどの数になることは予想できる。問題は、若い人たちの受け取り方だと思うことも無理はない。うちの東京にいる三女も、本当は今日一時帰省する予定だった。
三女の同級生たちと、ようやく皆の調整が取れて、こちらで皆で会う、と僕が聞いたのは先週だった。先週は、日本人の少なからずの人が気を緩めた時だ。僕は「この時期はやめておいたほうがいい」と伝えたが拒否された。相当に楽しみにしていたようだった。帰省手段は?と聞くとハイウェイバスだという。「あかん、お金出すから新幹線にしなさい」と伝えた数時間後、僕は心配になったので「車で東京まで迎えに行くことにする」と伝え直した。そして今週都知事の会見で東京の外出自粛要請が出たところで電話を掛けた。三女は「さすがに帰るわけにはいかんよね」と答え、家族で長いLINE電話をしてとりあえずの一件落着となったのだ。
長電話の中で僕は三女に「会社を一ヶ月休ませてもらえ。そうすればおまえを車で迎えに行ってこちらに置いておける」と乱暴なことをいった。「いやいや、会社はめちゃくちゃ楽しいんだから一人でも東京にいるよ。私、ケーキ工場と個人店のケーキ屋にいたものだから、会社でめちゃくちゃ何でもやらせてもらっているんだよ。仕上げもやるし、仕込みまでやるようになったのよ」と、現在の状況を説明してくれたのだった。
2020年3月27日
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